インドネシアのエリック・トヒル国営企業相は9日、米中の経済摩擦や新型コロナウイルス感染症の影響で中国からの工場移転を考える米国と日本の企業から投資を呼び込むため、中ジャワ州のバタン工業団地の開発を急ぐ方針を示した。政府は先に、工場の移転先として同州のブレベス工業団地を開発する計画を示していたが、用地取得やインフラ整備に時間を要することを理由に方針を転換した。11日付インベストール・デーリーが伝えた。
エリック国営企業相は「ブレベス工業団地を開発するのに、用地取得とインフラ整備で2年を要する。米国と日本の企業は6カ月後に投資を実現させる意向を示していることから、用地取得で問題がないバタン工業団地の開発を急ぐ方針だ」と述べた。バタン工業団地の開発では、国営農園プルクブナン・ヌサンタラ(PTPN)の所有地4,000ヘクタールを利用でき、既存の鉄道線路(総延長300メートル)やオランダ時代に建設された港湾も活用できると説明した。
インドネシア商工会議所(カディン)のシンタ副会頭(国際関係担当)は「インドネシアへの工場移転を検討している海外企業のうち、米国企業については米国商工会議所と協力し、製薬会社の工場移転計画などを確認しているところだ」と話した。「日本と韓国の企業もインドネシアへの工場移転を検討している。これらの投資を確実に呼び込むためには、規制緩和など投資環境の改善が必要だ」と指摘した。
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