屋根の防水・補強工事などを手掛けるトヨコー(静岡県富士市)は9日、タイ法人トヨコー(タイランド)が9月に屋根の補修事業を開始すると発表した。老朽化した工場の屋根の防水や断熱性を高める独自の「SOSEI(蘇生)工法」を提供する。
トヨコーによると、蘇生工法はスレートや金属屋根に3層の特殊樹脂を吹き付けることで、耐用年数を延ばすほか、防水や断熱性を高める技術。日本国内では、自動車や電機メーカーなどの工場を中心に、延べ92万平方メートル以上に施工した。
タイでは2019年7月にほぼ全額出資する子会社トヨコー(タイランド)をバンコクに設立。今年2月に東部ラヨーン県で、米化学大手ダウ・ケミカルのタイ法人ダウ・タイランド・グループが主導する、低所得者向けの住宅建設プロジェクトに参画して、蘇生工法を施した。新型コロナウイルス感染症の流行拡大とタイ国内の非常事態宣言を受けて、停止していた事業活動を再開する。
タイでの蘇生工法の費用は、1平方メートル当たり1,400~1,600バーツ(約4,815~5,500円)を予定している。蘇生工法の耐久年数は10年以上で、施工後15年程度でのメンテナンスを推奨しているという。タイは日差しが強く、雨期の激しい降雨などもあり、工場や倉庫などの屋根の劣化が日本よりも早く進むという。蘇生工法を用いることでメンテナンスや屋根のふき替えの頻度を減らすことができるとみている。
日系企業だけでなく、タイ企業も対象に事業を展開し、21年に10件・5,000平方メートルの受注を目指す。その後は22年に20件・1万平方メートル、23年に50件・3万平方メートルの受注を目標に掲げている。将来的に台湾への事業展開も検討しているという。
トヨコー(タイランド)の従業員は現在2人で、9月には4人体制となる予定。
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