• 印刷する

タイ航空が事実上の経営破綻 3年連続赤字、コロナが追い打ち

タイ政府は19日、フラッグキャリアであるタイ国際航空について、中央破産裁判所に会社更生手続きを申請することを閣議決定した。事実上の経営破綻となり、破産法に基づいて再建を図る。国内の航空業界における競争激化を背景に、同社は過去3年にわたり赤字が続いており、新型コロナウイルス感染症の流行が追い打ちとなった。

タイ政府は19日、タイ国際航空の会社更生手続きを中央破産裁判所に申請することを閣議決定し、事実上の経営破綻が決定した(タイ国際航空提供)

タイ政府は19日、タイ国際航空の会社更生手続きを中央破産裁判所に申請することを閣議決定し、事実上の経営破綻が決定した(タイ国際航空提供)

タイのプラユット首相は19日の記者会見で、タイ航空については、◇負債を補うための資金を調達する◇現状を維持する◇裁判所の管理下で経営再建を図る――という3つの対策案が上がったと明らかにした。「難しい選択だったが、国と国民にとって最善の決断であり、タイ航空を倒産の危機から救い、従業員2万人を守るための決断でもあった」とコメント。「タイ航空は国を代表する企業であり、裁判所の管理下で経営再建できると信じている」と述べた。

地元紙クルンテープ・トゥラキットによると、経営再建計画には、タイ航空に51.03%出資している財務省が、国営企業民営化支援などを目的として設立した基金「ワユパック・ファンド」に同社の株式3%を売却し、出資比率を47%まで引き下げることが含まれている。売却額は6億5,400万バーツ(約22億円)に上る見通し。

タイ航空は政府の発表を受けて、事実上の経営破綻後もこれまで通り事業を展開し、運航を続けていくと発表した。同社は現在、新型コロナの感染拡大の影響ですべての定期便を運休し、海外からのタイ人帰国者を輸送するチャーター便と貨物便のみ運航している。

同社は当初、6月の運航再開を計画していたが、タイへの国際線の乗り入れ禁止措置が6月30日まで延長されたことを受けて、先送りとなった。7月の運航再開については、各国・地域の感染予防策や封鎖の状況、旅客の需要を見ながら検討中と説明。正式な日程が決定したら発表するとしている。

■全日空、共同運航は継続の方針

国内の航空業界における競争激化により、タイ航空は2017年以降、赤字が続いている。19年12月期は120億4,200万バーツの赤字となった。

タイ航空は航空連盟「スターアライアンス」に加盟し、全日本空輸(ANA)と共同運航(コードシェア)をしている。ANAの広報担当者は19日、NNAに対して、「タイ航空が運航を継続する限り、コードシェアやその他の提携サービスを変更する予定はない」と話し、タイ航空が今後どのような形で運航を継続していくのか状況を注視していくとした。

ANAは、00年にタイ航空とコードシェアを開始。新型コロナの感染拡大に伴い減便・運休する前は、バンコクと成田、羽田、関西、札幌、名古屋などを結ぶ日タイ路線の計9路線、日本国内21路線、タイ国内3路線などでコードシェアをしていた。

■上場航空2社、1~3月は赤字転落

タイ証券取引所(SET)に上場する航空2社の20年第1四半期(1~3月)連結決算は、合算の純損失が10億1,000万バーツだった。新型コロナの感染拡大に伴う渡航規制で旅客が激減し、売上高は前年同期比18.5%減の158億2,200万バーツに落ち込んだ。

マレーシアの格安航空会社(LCC)エアアジア・グループの傘下にあるタイ・エアアジアの持ち株会社アジア・アビエーションは、6億7,100万バーツの純損失を計上。前年同期は4億9,700万バーツの黒字だった。売上高は前年同期比19.1%減の93億9,900万バーツだった。

新型コロナの感染拡大に伴う需要減退と各国・地域による渡航規制により旅客が激減したことを受けて、同社は減便や感染が拡大する地域を結ぶ路線を運休。3月22日以降、国際線の運航を完全に休止した。1~3月の旅客数は前年同期比23%減の453万人。ロードファクター(有償座席利用率)は84%で、前年同期から6ポイント低下した。

タイの民間航空会社バンコク・エアウェイズも3億3,900万バーツの純損失を計上。5億バーツの黒字だった前年同期から赤字に転落した。売上高は前年同期比17.5%減の64億2,300万バーツに落ち込んだ。

同社も新型コロナの影響を受けて、3月以降に減便と運休を実施。これにより、1~3月の定期便の旅客数は前年同期比23.2%減の132万4,100人に落ち込んだ。内訳は国内線が19.7%減の96万9,200人、国際線が31.6%減の35万4,900人。ロードファクターは62.1%で、前年同期から12.5ポイント低下した。

タイ航空とLCCのノック・エアラインズは、1~3月期決算の公表を延期すると発表している。


関連国・地域: タイ
関連業種: 運輸観光マクロ・統計・その他経済

その他記事

すべての文頭を開く

トヨタがカローラSUV発売 世界初、月間1400台の販売目指す(07/10)

テイクオフ:5月末から新型コロナの…(07/10)

マツダ、クロスオーバーSUVで販売首位(07/10)

ダイキン、空気清浄機を年内に現地生産へ(07/10)

中国のタイヤ大手山東リンロン、生産増強(07/10)

国営鉄鋼所の再稼働、タイなど5社が名乗り(07/10)

双日の関連企業、印バジャジの二輪車を発売(07/10)

屋根置き太陽光、買取価格引き上げなら拡大(07/10)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

出版物

SNSアカウント

各種ログイン