人材サービス大手エン・ジャパン傘下のベトナムのナビゴス・グループは17日、第1四半期(1~3月)の高度人材の需要リポートを発表した。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う規制強化の影響が出る中、観光業界では第3四半期(7~9月)までは回復が見られない見込み。1~3月は製造やITなどが伸びたが、繊維・衣服などが落ち込んだ。
1~3月の中堅・高度人材の需要は、製造が前年同期比27%増、ITが7%増とそれぞれ伸びた。ただ、製造のうち繊維・衣服では、従業員を休ませる企業もあり、求人が滞った。サプライチェーン(供給網)の寸断で原材料を調達できず、一時停止した工場もあったが、物流の問題が解消されつつあり、再開の流れとなっている。
観光業では、第3四半期末または10月以降に緩やかに回復に向かうとみている。第4四半期(10~12月)にプラス成長に戻り、来年に需要が戻ると見込む。銀行も、新型コロナウイルスを契機にデジタル化を加速させる傾向があり、今後の経営方針で人材需要が左右されるという。
人材需要が高まっている産業としては、電子商取引(EC)とエネルギーを挙げた。ECは、人材確保に向けて(小売りなど)伝統的な事業よりも高い給与を提示する傾向が、向こう3~5年は続く見込みだ。エネルギーでは、再生可能エネルギー関連の需要が力強く伸びている。
第1四半期の日系企業の求人数は堅調に推移した。ただ、新型コロナウイルス対策で査証(ビザ)や労働許可証の取得手続きが遅れる傾向にある。ナビゴスは、ベトナム人幹部を増やそうとする機運もあると指摘した。
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