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【19年の10大ニュース】焦げ付いた豪州大陸

今年は、5月に行われたオーストラリアの総選挙で、モリソン首相率いる保守連合(自由党・国民党)が労働党を破ったことが国民全体を驚かせた年だった。レームダック政権と言われたほど、選挙前はモリソン政権のもろさが際立っていたが、ふたを開けてみるとモリソン首相は安定的に政権運営を続けている。これもまた静かな驚きの一つに違いない。また、昨年に猛威を振るった大干ばつはさらに威力を増したほか、史上最悪レベルの大規模森林火災も発生し、豪州大陸が焦げ付いて悲鳴を上げたような年でもあった。
経済に目を転じると、政策金利は史上最低を更新中だ。中国との関係も危うさを増し、いつ始まってもおかしくない世界経済の急降下を警戒するかのようだ。来年もまた不安を抱えての始まりとなりそうだ。
一方、ニュージーランド(NZ)は、世界的ニュースとなったクライストチャーチの銃乱射事件を1位としたほか、火山爆発や国際会議場の大火災など、社会ニュースが世界を駆け巡った年だった。政治面では、国民的人気を誇るアーダン首相の政治的手腕に疑問符が付き始めたのも変化の兆しと言っていい。旺盛なインフラ需要にかかわらず、移民政策の厳格化などにより人手不足が深刻化し、成長率は鈍化している。産業界の不満が来年の選挙で顕在化するかもしれない。

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