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【19年の10大ニュース】米中貿易摩擦で経済停滞

2019年はシンガポール経済に逆風が吹いた1年だった。米中貿易摩擦の長期化や世界的な半導体の需要減速が響き、経済成長率は四半期ベースで10年ぶりの低水準にとどまった。輸出額も11月までに9カ月連続のマイナス成長と低迷した。
消費者物価指数(CPI)の伸びも鈍化した。11月にはコアインフレ率(運輸や住宅など、政府の政策の影響を受けやすい項目を除外したインフレ率)が0.6%となり、2カ月連続で約3年半ぶりの低水準を付けた。
景気低迷を受け、シンガポール金融管理庁(MAS、中央銀行に相当)は10月に金融緩和を実施すると発表。約3年半ぶりに通貨をシンガポールドル安に誘導して景気を刺激する政策に踏み切った。
足元では国内総生産(GDP)が7~9月期に上向き基調になり、輸出もマイナス幅が縮小してきた。ただ9月時点の失業率は10年ぶりの高水準となっている。国内経済を巡る先行き不透明感は続きそうだ。