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【アジアで会う】大谷真樹さん インフィニティ国際学院院長 第281回 日本の若者に英語教育(フィリピン)

おおたに・まさき 1961年生まれ、青森県八戸市出身。ベンチャー企業の創業や投資などでアジアを飛び回った後、51歳になってから故郷にある八戸学院大の学長を6年にわたり務めた。今年4月、日本の若者がフィリピンを拠点に英語教育を受けながら、世界を旅して教養を身につける「インフィニティ国際学院」を開校した。

インフィニティ国際学院の拠点は、フィリピンの北部ルソン島にある。大学や語学学校を運営するフィリピンの学校法人の施設の一部を校舎として利用している。東京や大阪などから16歳前後の男性4人、女性3人が1期生として入学した。「日本の教育がつまらない、日本を飛び出してチャレンジしたいと考えた生徒たち。知識を詰め込む教育、受験、偏差値とは関係がない勉強なので、のびのびやっている」と話す。院長を務める大谷氏は毎月、日本とフィリピンを行き来する生活だ。

英語が堪能なフィリピン人によるマンツーマンの指導、英語でのプレゼンテーションや討論の手法も学ぶ。「毎朝8時から6時間ほど英語づけ。入学時に英検の準2級レベルを求めたが、半年で準1級以上の水準に上達した」と説明する。マネックスグループの松本大社長ら日本の著名経営者が生徒のために経営などについてオンラインで講義することもある。年間の学費と寮費など約300万円が必要だが「東京でインターナショナルスクールに通うことを考えれば高くない」と指摘する。

2年目は春に2カ月、秋に2カ月、冬に1カ月にわたる「修学研修旅行」を予定している。教師の引率のもとアジアや欧州、アフリカを訪れる。カンボジアで市場リサーチをしてものを売る体験をしたり、欧州の美術館を訪問したりする。3年目はそれぞれの生徒の判断で世界各国に向かう。「中国語を学んだり、大学の受験対策をしたりすることになるのではないか」という。

沖縄県の通信制高校と提携することにより、日本の高校卒業資格も得られる。進路について「日本の大学に進学する生徒がいるかもしれないが、米国やオーストラリアの大学を目指す人が多くなるのではないか」と予測する。

■故郷の大学学長に転身

学習院大経済学部を卒業後、NECやテレビのドキュメンタリー制作会社に勤務した。1996年にインターネットを利用した調査会社「インフォプラント」を創業。この会社の株式をヤフーに売却し、やや自由になった40代後半で転機となる言葉と出会った。「財産を残すのは下、事業を残すのは中、人(教育)を残すのは上、という内容。それだ、と思った。全く縁がなかった教育に目覚めた」と話す。外相などを務め、関東大震災からの復興計画の策定にも取り組んだ後藤新平の言葉だという。

学生の採用など仕事で付き合いがあった八戸市の関係者の招きにより、10年に八戸学院大に招かれた。学長補佐などを経て12年に学長に就任した。当時は、少子化で学生確保もままならない状況だった。高校も抱える学校法人の改革に取り組んだ。系列の八戸学院光星高校は野球の強豪。光星学院という校名だったが「八戸」を加えるなど変更した。甲子園出場によって八戸学院大も全国に知られるようになり、大学の志願者も増えたという。ジーパンをはいた学長として自らメディアに積極的に登場した。

大谷氏は現在「株式会社八戸学院グループ」の社長として、日本の老人ホームや介護施設、企業にフィリピンの優秀な人材を紹介する仕事も手がけている。「日本は少子高齢化により労働力不足。フィリピンは仕事がない。親日国のフィリピンと相性はいい。両国の課題を教育で解決するのが私の仕事」と話し、両国の架け橋となるよう意気込む。(東京編集部・番場恭治)


関連国・地域: フィリピン日本
関連業種: 社会・事件

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