「駅はどっちですか」。東南アジアや東アジアを旅していると、観光客から何かを尋ねられることが多い。現地の人に見えるのかも知れないし、自分と同じ国の人に見えるのかも知れない。英語ならまだしも、現地語や自国語で話し掛けられると対応に困る。親しげに話し掛けてくれるので、しばらく頑張って話を聞いてみるものの、やっぱり分からない。大体いつも「ソーリー」と謝ることになる。
インドでも何かを尋ねられることは間々ある。なかでもインドでの人と人の距離の近さを如実に感じたのは、持っていたペットボトルを指さし「パニ(水)をわけて」と話し掛けられたことだ。電車で向かいに座っていた見ず知らずの女性に。衝撃を受けつつ差し出すと、かっと上を向いて口をつけずに水を飲み、にっこり笑ってペットボトルを返却してくれた。インドに根付くシェア精神の表れなのかも。(榎)
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