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【NNA景気指数】タイ 2019年第4四半期予測

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。
NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。
両指標ともNNAのタイ経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。
NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。 NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。 両指標ともNNAのタイ経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。 NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

<2019年第4四半期(10~12月)の予測>

◎内外需振るわず経済減速見通し

・9月主要経済指標は軒並み悪化

・自動車含む輸出はマイナス予測

・干ばつや車ローン厳格化も影響

・政府は景気刺激策で消費喚起へ

<経済アナリストの目>

タイ中央銀行は9月に発表した月例経済報告書で、2019年の経済成長見通しを従来の3.3%から2.8%に引き下げた。18年の経済成長率は4.1%で、19年の成長鈍化はより鮮明となっている。中央銀行は8月7日の政策会合で、政策金利を1.75%から1.5%に引き下げ、15年以来となる利下げを行った。その後9月25日の会合では据え置きとした後、11月6日の会合ではさらに1.25%へと引き下げた。利下げの理由として政策委員会は、輸出が弱含みであり雇用にネガティブの影響を与える懸念があること、インフレ率についてもターゲットバンドの下限を下回る見込みであることを挙げている。

景気の方向感を表すNNA DIは、第3四半期(7~9月)の3カ月平均で34.4%となった。この指標は、工業生産、輸出入、小売りなどの各系列が3カ月前と比べて増えれば「1」、減っていれば「0」、不変であれば「0.5」を取り、その合計値を分子として、タイでNNA景気指数を算出するために参照している全指標数6を分母として算出される。タイの7~9月の34.4%という水準は景気動向判断基準に照らすと「小雨(やや悪い)」に該当する。月次ベースでNNA DIの動向を見ると、8月の50%から9月は20%に悪化している。これらのことは第4四半期のタイ経済が減速方向に向かっていることを示している。

景気の状況を示すNNA CIは、19年8月の117.9から、9月には112.7へと下落した。9月にはNNA CIに含まれる経済指標が全て悪化を示し、中でも自動車販売台数の減少率は2.6%と大きかった。NNA CIは経済指標のみならず、NNAに掲載される経済記事のテキスト分析に基づくセンチメント・インデックス(SI)も反映しているが、8~9月とも小幅ではあるがSIは連続して悪化している。7~9月期の掲載記事の中では、7月に発足した第2次プラユット内閣による発足後1カ月で総額3,160億バーツ(約1兆1,400億円)の経済対策をまとめたニュースがプラスのセンチメントをもたらした。その後、北部および東北部における干ばつが農業被害をもたらしていること、タイからの自動車輸出が前年比で減少する見通しであること、国内でカーローンの審査基準が厳格化していることなどのニュースが、マイナスのセンチメントをもたらした。

中銀は9月の月例経済報告書で、20年の経済成長率を3.3%と予測している。6月時点での見通しは3.8%で、19年の減速傾向を受けて20年の成長率予測も引き下げられた。輸出の低調のみならず、民間部門の消費および投資、公共投資のいずれもが下方修正されている。報告書ではリスク要因として、輸出が今の想定よりもさらに減速する可能性を挙げている。タイ経済は、対外経済環境の悪化により減速に向かう可能性が高まっている。

日本格付研究所 国際格付部長・チーフアナリスト 増田 篤

<タイ編集部の目>

タイの7~9月の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比2.4%だった。前期の2.3%から0.1ポイント伸び、小幅ながら3四半期ぶりに加速。タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は、政府が実施した景気刺激策が寄与した一面があると説明した。7~9月の輸出額が前年同期比0.5%減と振るわない中で、民間投資や公共支出が増えたことが下支えした格好となったものの、NESDCは通年の成長率予測について、8月時点の2.7~3.2%から2.6%に引き下げた。

タイでは、3月の総選挙を経て、7月に軍事政権から民政へ移管する形で「第2次プラユット政権」が正式に発足。プラユット首相は、施政方針で長期的な成長エンジンとして期待されるタイ東部3県の経済特区(SEZ)「東部経済回廊(EEC)」の開発や低所得者への給付金支給など軍政時代の政策を継続することを表明する一方、国内経済のてこ入れを開始した。

その一つが総額3,160億バーツの景気刺激策で、1,000バーツの給付金を低所得者ら1,000万人に支給して消費を下支えするなどの対策を取っている。足元では、1~5月まで前年同期で9%増と好調だった新車市場が、6月以降は前年割れが続くなど消費市場の風向きは変化している。

NNAがまとめたタイ証券取引所(SET)に上場する自動車部品メーカー14社の第3四半期決算は、合算の純利益が11%減と2桁減少。新車市場の低迷だけでなく、バーツの対米ドル相場が9月中旬には1米ドル=30バーツ台前半まで上昇するなど、為替差損の影響を受けている企業もある。

一方政府は9月に米中貿易摩擦の影響を受けてタイへ生産移転を検討している企業に対して、国が重点的に誘致する高度産業であれば通常5~8年間の法人税免除に追加して、5年にわたって法人税を5割軽減する措置を発表。外国からの投資誘致にも躍起だ。

こうした中でタイ中央銀行は9月の月例経済報告書で「タイ経済は引き続き減速傾向にある」と指摘したが、明るい材料がないわけではない。内需を支える意味では、3月の総選挙を挟んで当初の計画から大幅に遅れていたEECのインフラ開発の官民連携(PPP)事業が進み始めたからだ。タイ政府は東部ラヨーン県マプタプット港の第3期拡張事業(総事業費約409億バーツ)の入札結果を9月末に承認し、10月1日に落札企業と契約を締結した。

さらに10月下旬にはバンコク近郊などの3空港を結ぶ高速鉄道の建設について、タイの大手財閥チャロン・ポカパン(CP)グループが主導するコンソーシアムとタイ国鉄(SRT)が正式に契約を交わした。総事業費2,245億バーツで、EEC開発の目玉と言える案件だ。

また9月にタイを訪れた外国人旅行者が1年3カ月ぶりに2桁増加すると、10月も2カ月連続で2桁伸びている。

タイ商務省は先に、19年通年の輸出額が前年比1.5~2.0%減になると予測。輸出の回復が見込めない中、財政出動や外国投資の誘致、公共投資を織り交ぜながら内需を維持できるか、第2次プラユット政権の経済政策も試されている。

NNAタイ編集長 京正裕之

<本資料について>

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