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【NNA景気指数】ベトナム 2019年第4四半期予測

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。
NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。
両指標ともNNAのベトナム経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。
NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。 NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。 両指標ともNNAのベトナム経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。 NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

<2019年第4四半期(10~12月)の予測>

◎回復基調維持も豚コレラなど懸念

・7~9月はNNA DI・CIともに上昇

・工業生産や輸出入、小売り指標が改善

・サムスン新スマホや堅調な新車販売が貢献

・豚コレラ被害など農業でネガティブ記事

<経済アナリストの目>

昨年のベトナム経済は好調で2018年通年の国内総生産(GDP)成長率は7.08%を記録した。実質成長率が7%を上回ったのは07年以来のことである。安定した貿易額、外国投資の流入、堅調な内需拡大などが好調な経済成長を支えている。19年1~9月のGDP成長率は約7.0%で、上半期に若干陰りの見られたベトナム経済は第3四半期に持ち返している。

景気の方向感を表すNNA DIは、7~9月の3カ月平均で55.6%となった。この指標は、工業生産、輸出入、小売りなどの各系列が3カ月前と比べて増えていれば「1」、減っていれば「0」、普遍であれば「0.5」を取り、それらの平均より算出される。55.6%という水準は景気動向判断基準に照らすと「くもり」に該当し、景気動向は横ばいの状況にある。ただし、毎月のDIの動向をみると7~8月の50.0%から9月は66.7%に改善、またDIの構成要素についても工業生産、輸出、株式指標のいずれも改善傾向にある。各指標に若干陰りの見られた4~6月期に比較して、今期は持ち返してきている。

景気の状況を示すNNA CIは、6月の99.85から、9月には101.24へと緩やかに回復している。NNA CIは経済指標のみならず、NNAに掲載される経済記事のテキスト分析に基づくセンチメント・インデックス(SI)を反映しているという特色がある。4~6月期にはすべての経済指標が悪化に転じてCIの低下が生じたのに対して、7~9月期は改善する経済指標もあり、さらにSIも横ばい傾向を示している。7~9月期の掲載記事の中では、アフリカ豚コレラ(ASF)の拡大およびそれに伴う豚肉不足と価格上昇を伝える記事や、砂糖や鶏肉価格の下落が農業経営の悪化をもたらした記事などが、SIを押し下げる記事として特定されている。

ベトナム国家銀行(中央銀行)は9月16日より、主要な政策金利を0.25%引き上げる措置を実施した。そうしたアクションの理由として、世界経済環境の悪化に対応して米欧をはじめとした世界の中央銀行が利下げに動いていること、ベトナム経済においてもインフレが鎮静化し為替レートも安定していることを挙げている。ベトナム経済はインフレが抑制されるなかで、7%前後の経済成長を実現し、良好な状態にある。ただし、国内的にはアフリカ豚コレラのさらなる拡散、対外的には最大の貿易相手である中国経済の状況や一次産品の国際市況などがベトナム経済にとってのダウンサイドリスクを形作っている。これらの要因が悪化する場合には、ベトナムの景気は後退するリスクがある。

日本格付研究所 国際格付部長・チーフアナリスト 増田 篤

<ベトナム編集部の目>

9月末に発表された第3四半期の国内総生産(GDP)の成長率は、前年同期比7.31%と、2018年第3四半期の6.82%から大きく加速した。前期の6.73%も大幅に上回った。

世界経済が減速傾向にある中で高度成長を実現したのは、ベトナムの輸出の20%以上を占めるサムスン電子が高価格帯スマートフォン「ギャラクシー・ノート10」を8月に発売したことが大きい。米国向け輸出も毎月、前年比30%近い伸びを記録しており、1~9月のGDP成長率は6.98%。通年では7%成長も見えてきた。

1~9月の輸出は、前年同期比8.4%の伸びを記録。100億米ドル(約1兆925億円)を超える主要5品目(「繊維・アパレル」「履物」「電子・電子部品」「電話・電話部品」「機械・機械設備」)がそろって堅調。従来からベトナムが得意としてきた品目が、さらに伸びている印象だ。

内需も引き続き堅調で、小売売上高も前年同期比12%拡大している。1~9月の自動車販売数は、18%増。トヨタ自動車やホンダ、三菱自動車といった日系の上位企業が大幅増を記録している。

世界的に貿易不振の色合いが強まる中、第4四半期にベトナムの輸出も鈍ることになれば、旺盛な内需がカバーするという構図になる可能性がある。経済が好調に推移する中で、ベトナム国家銀行(中央銀行)は9月にあえて利下げに踏み切っており、経済成長を重視する明確なメッセージが発信された。

一方、不安要素があるとすれば米国経済の減速や、日韓の摩擦によるサムスンの低迷だ。最大の輸出先である米国の経済が勢いを失えば、米中貿易摩擦の影響によるベトナムの「特需」は薄まりかねない。また、日韓対立によってサムスンのスマホ出荷に悪影響が出るようなことがあれば、ベトナムの輸出額にそのまま響く。

NNAベトナム編集長 小堀栄之

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