マレーシアでショッピングモールが集客に苦戦しているようだ。過当競争になっていることなどが原因で、全国の複合商業施設の空き店舗面積は6月末時点で331万平方メートルとなった。英系不動産サービス、サヴィルズ・マレーシアは「客足が伸びているのは一部のモールだけ」と指摘する。29日付マレーシアン・リザーブが伝えた。
マレーシアではここ10年ほど、首都圏クランバレーを中心に不動産開発会社がコンドミニアムやサービスアパートと合わせてショッピングモールを開発するケースが増えている。一方で、電子商取引(EC)ブームに伴い、実店舗への客足は減りつつある。
サヴィルズのムルリ・メノン小売りサービス担当部長は、モールの業績は立地、アクセスのしやすさ、規模、テナントの組み合わせに大きく左右されると説明。「商圏に比べ規模が大きすぎるモールがある。集客不足のモールは平日だけや週末だけの営業を強いられている」と指摘した。同氏は「不動産開発会社は、モールを計画する際に商圏を正しく認識する必要がある」との見解を示した。
財務省傘下の国家不動産情報センター(NAPIC)によると、国内の複合商業施設の総面積は6月末時点で1,625万平方メートル。上半期(1~6月)にはジョホール州を中心に12カ所の複合商業施設が新たに完成し、市場に計35万2,183平方メートルの小売りスペースが供給された。入居率は79.7%となり、前年同期の79.9%から0.2ポイント低下した。
建設中のモールは42カ所で、今後新たに147万平方メートルの小売りスペースが供給されるほか、計画中も27カ所あり、さらに104万平方メートルが増える見通しという。
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