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「無観客」南北戦、融和目指す文氏に皮肉

試合中には南北の選手による小競り合いが起きた。現地で見守った駐北朝鮮スウェーデン大使のヨアヒム・ベルクストレーム氏は「子供たちの前で喧嘩すべきではない。しかし、今日ここには誰もいない」とツイートしている(ベルクストレーム氏のツイッターのキャプチャー画面)

試合中には南北の選手による小競り合いが起きた。現地で見守った駐北朝鮮スウェーデン大使のヨアヒム・ベルクストレーム氏は「子供たちの前で喧嘩すべきではない。しかし、今日ここには誰もいない」とツイートしている(ベルクストレーム氏のツイッターのキャプチャー画面)

2022年のサッカーW杯カタール大会の出場権を巡るアジア2次予選で、韓国と北朝鮮が激突した。場所は平壌の金日成スタジアム。平壌での南北戦は1990年の親善試合以来、29年ぶりのことだ。ところが、この歴史的な一戦は観客や報道陣が一切いない「無観客試合」として開催され、注目を集めている。

無観客試合で思い出されるのは14年3月、サポーターが外国人排斥の横断幕を掲げた浦和レッズに罰則として与えられた一件。無観客試合は本来、このような違反行為への制裁として行われる。しかし、今回の南北戦ではホスト国自ら無観客を選んだ。ホームアドバンテージを自ら捨てるようなもので、異様と言わざるを得ない。

インファンティーノFIFA(国際サッカー連盟)会長は「観客が1人もいなくて失望した。メディアの言論の自由は最も重要な問題」と批判している。

北朝鮮がそのようにした背景を巡っては、「応援団がいない韓国代表との釣り合いを取るため」や「韓国に負ける姿を国民に見せることを嫌ったため」などの臆測を呼んでいる。さらに、文在寅(ムン・ジェイン)政権への当て擦りという見方もある。

文氏は18年の平昌冬季五輪で南北合同入場やアイスホッケーの共同チームを実現させるなど、スポーツを通じた南北融和を目指してきた。18年6月に「30年のサッカーW杯共同開催」の意向をインティファーノ会長に伝えたかと思えば、今年8月15日には「32年の五輪共催」を宣言。そして、45年までに「南北統一を実現する」と大風呂敷を広げた。

韓国政府は今回の平壌開催を融和促進のきっかけにする思惑があったようだが、観客だけでなく、報道陣やテレビ中継も受け入れられなかった。検察改革の担い手として立てた曺国(チョ・グク)法相が辞任に追い込まれる中、文氏としては南北融和で支持層の左派をまとめたいところだったが、北朝鮮からハシゴを外されてしまった形だ。【清水岳志】


関連国・地域: 韓国北朝鮮
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治社会・事件

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