テイクオフ：ガタゴトと列車に揺られ…

ガタゴトと列車に揺られ、マニラ首都圏のアラバンからラグナ州カランバを目指す。政府が開発した、ピカピカのハイブリッド鉄道車両の試乗だ。隣に座ったフィリピン人女性は「強い冷房にスムーズな運転、実に快適になった」と笑う。そうだね素晴らしいね、とうなずきながらも、ふと思った。・・・遅くないだろうか。

さすがに、「日本と比べると～」などとお国自慢を始めるつもりはない。ただ、他の東南アジアの鉄道と比較しても、遅い。平均速度を計算してみると、時速30キロ未満。レール付近にはごみが散らばり、ガサガサと音がしたかと思うと、車両が枝を揺らしたものだった。きっとこれらも原因だろう。

車窓から外を眺めると、ヤギが農地を駆けている。駅に停車した際には、手を振る人たち。首都圏の騒がしさからの開放感。いや、心から「快適」と言えるかもしれない。（弘）