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【アジアで会う】中谷茜理さん ユーチューバー 第250回 動画を通して日越文化を発信(ベトナム)

なかたに・あかり 1993年大阪府八尾市生まれ。大分県の立命館アジア太平洋大学(APU)を2016年に卒業後、同年5月に単身ベトナムにわたる。「aNcari(アンカリ)room」というアカウント名でユーチューバーとして活動中。登録者数は5万人を超えた。最近では日系企業のイベントに参加したり、ベトナムのテレビ番組に出演するなど、活躍の幅を広げている。

大学時代の出会いがベトナムでの活動のきっかけにつながったと話す。在学中、1年間のニュージーランド留学を経て大分に戻った茜理さんは、サークルを通じて知り合ったベトナム人の友人とルームシェアを始めた。初めてベトナムを訪れたのは13年。彼女の里帰りに同行し、1カ月間滞在した。「(それまでは)ベトナムってどこにあるの?というレベル。将来ベトナムに住むなんて全く想像もしていなかった」と笑う。

現在はホーチミン市内の彼女の実家に居候中。「お母さんに小言をいわれる」というほど、すっかり家族の一員だ。一方の親友は、大分でベトナム料理店を経営している。

■「カレーを食べる」に似てるでしょ?

周囲に外国人学生が多かったこともあり、就職活動をしないまま卒業の日が近づいた。4年生のときに彼女と共に地域支援の限定トライアルでベトナム料理店を開設したことで、ベトナムへの興味が深まった。「ベトナムで働く」という選択肢を考えるようになり、まずは語学の習得を目的に渡航を決めた。

「ユーチューバー」は目的ではなかったという茜理さん。ただ「語学以外にもう一つ軸があれば」と、何げなく始めたのがユーチューブだった。渡航前にベトナム行きの決意をベトナム語で話した動画を上げたのが第1弾だが、「恥ずかしくて誰にも言わなかった」。

チャンネル名は「aNcari room」。アンカリとはベトナム語で「カレー(cari)を食べる(an)」の意味で、名前の「アカリ」にちなんで親友が家族や友だちに紹介するときに使っていた表現。「『カレーを食べる』のアンカリーに似てるでしょ?」という自己紹介から動画はスタートする。

ベトナム語でQ&A形式の自己紹介をした動画が最も再生回数が多い

ベトナム語でQ&A形式の自己紹介をした動画が最も再生回数が多い

もっとも見られているのは「ベトナム語で話してみます」という動画で、再生回数は48万回以上。立ち上げ1年後ごろに作成したベトナム語の自己紹介動画だ。現在は主に「日本の文化をベトナム語で紹介する動画」や「ベトナムでの生活の様子」などを紹介している。例えば「アオザイを着て盆踊りをする」企画やバインミー(ベトナム風サンドイッチ)やミルクティーの食べ(飲み)比べ動画など。内容に合わせて日本語・ベトナム語・英語を使い、いずれにも3言語の字幕を入れて配信している。

■人とのつながりを糧に、「影響を与える」体験も

ユーチューバーの活動を通じて印象的な出来事もあった。茜理さんはある日、米国在住のベトナム系米国人の男性から「(動画をみて)初めてベトナムに行ってみたいと思った。渡航のチケットも購入した」というメッセージを受け取った。男性は自身のルーツがベトナムにありながらも「どこか、ベトナムを見下していた」そう。日本人女性がベトナムの文化を伝える動画が、気持ちに変化をもたらしたようだ。

人気を得始めたのは、17年夏ごろから。海外在住のベトナム人ユーチューバーとのコラボ企画などで徐々に登録者数を伸ばしている。視聴の6割はベトナム国内からで、3割が日本、残り1割がその他の外国からだという。登録者数は5万5,000人を超えたところ。目指すは人気ユーチューバーの指標となる100万人だ。

ベトナム生活4年目に突入した茜理さんに今後の計画を尋ねると「いずれは、母の母国である台湾にも住みたいが、まだまだベトナムで暮らしたい」と答え、「ベトナムで結婚すれば、このままここで暮らすかも……」と年ごろの女性らしくはにかんだ。

日本に居るころは自発的に行動することが少なかったという茜理さん。今はポジティブで行動力があるベトナムの友人たちに囲まれて、充実した生活を送っている。人生で初めて自分で切り開いた道を突き進む彼女は「ユーチューブを通じて表現できることに感謝している」と語った。(ベトナム版編集・尾崎由佳)


関連国・地域: ベトナム
関連業種: メディア・娯楽社会・事件

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