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【プロの眼】感染症流行とパニック

渡航メンタルヘルスのプロ 勝田吉彰(2)
連載2回目は、感染症流行とパニックについてお話ししましょう。海外赴任中に、これまで聞いたこともない感染症が現地で流行しはじめた・・・ということが、平成半ばから毎年のように発生しています。そして日本国内においても「〇〇病が日本に上陸する恐怖」がマスメディアで取り上げられ、テレビには“最後の砦”と言わんばかりに空港検疫所や感染症指定病院の隔離病床の画像が繰り返し流れます。重症急性呼吸器症候群(SARS)、新型インフルエンザ、エボラ熱、中東呼吸器症候群(MERS)、デング熱、ジカ熱、麻疹など、その多くは結局、日本国内では感染者が発生しないか、発生してもごく限られた感染者数で過ぎゆくのですが、海外赴任先がその火元の当事国となることも今や珍しくなくなりつつあります。こうしたなじみのない感染症に触れたとき、現地ではどのような反応が起こるか紹介します。