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三菱UFJ銀、米中貿易摩擦と台湾について講演

三菱UFJ銀行は9日、台北喜来登大飯店(シェラトン・グランデ台北)で、米中貿易摩擦下での台湾や世界経済の現況および展望などに関する講演会を開催した。アジア法人営業統括部アドバイザリー室の吉田常誠・室長が、米中貿易摩擦の特徴や、それが台湾および諸外国に与える影響について解説した。

吉田室長は米中貿易摩擦の本質について、「米国が中国経済の台頭を抑えるために仕掛けた世界経済の覇権争いであり、対中貿易赤字の改善ではない」と分析。その上で、「自国の経済にもダメージを与える関税の引き上げのほか、華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)などの中国の特定企業の締め出しも行っている」と米国側の姿勢が極めて強硬であることを改めて指摘した。

ただ、実際に中国側に与えている影響については、中国の貿易統計が堅調に推移していることなどを挙げ、「国際貿易などの直接的な面よりも、先行き不透明感がもたらす投資や消費の鈍化をはじめとした景気減速など間接的な面の方が大きい」との見方を示した。

台湾企業への影響は、「多くの企業が中国での製品加工を経て米国に輸出する三角貿易の形態に依存していることから、構造的には大きな影響を受ける可能性をはらんでいる」と分析。ただ、現在は主力製品であるノートパソコン(PC)やスマートフォンなどの関税が引き上げられていないため、軽微にとどまっているという。

台湾政府が、中国に進出している台湾企業の回帰投資を支援する法整備を進めていることについては、「市場規模、インフラ、サプライチェーンの整備状況などの面で、中国市場は依然、一定程度の魅力がある」として、少なくとも大企業を呼び込む効果は限定的との考えを示した。一部の大企業で中国からの生産移管の動きがあることについても、「中国への一極集中をある程度緩めることは、米中貿易摩擦が起きる以前から検討されていたこと」と述べた。

一方、中小企業の回帰投資については「初期段階に回帰投資を実行する企業の成否が、今後の動向を左右する」と予測した。

講演会ではこのほか、グローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリストが2019年の為替市場の展望を語った。米国政府は今年、昨年のような再三の利上げは実施しないとみられることから、「昨年対ドルで強さを発揮した円や台湾元は値上がりする可能性がある」と予測した。

講演会には現地日系企業の関係者をはじめ約200人が参加した。

講演する三菱UFJ銀行アジア法人営業統括部アドバイザリー室の吉田常誠・室長=9日、台北(NNA撮影)

講演する三菱UFJ銀行アジア法人営業統括部アドバイザリー室の吉田常誠・室長=9日、台北(NNA撮影)


関連国・地域: 中国台湾米国
関連業種: 金融マクロ・統計・その他経済政治

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