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F&Nと南洋工科大、食品技術の研究所開所

シンガポールの飲料大手フレーザー・アンド・ニーブ(F&N)と南洋工科大学(NTU)は7日、NTU構内に新研究所「F&NーNTU・F&Bイノベーション・ラボ」を開所した。食品廃棄物から栄養成分を回収する技術や、環境に優しい食品包装などを共同で開発する。食料の9割以上を輸入に依存するシンガポールでは、食料安全保障の確保は重要な課題だ。新研究所ではこうした問題に対応できる新技術の研究開発(R&D)を目指す。

「F&NーNTU・F&Bイノベーション・ラボ」を視察するオン・イークン教育相(中央)=7日、シンガポール西部(NNA撮影)

「F&NーNTU・F&Bイノベーション・ラボ」を視察するオン・イークン教育相(中央)=7日、シンガポール西部(NNA撮影)

新研究所はNTU化学・医用生体工学部内に開設。F&NとNTUから研究者や学生ら計約30人が集まり、4年契約で研究活動に取り組む。研究費用などの投資額は明らかにしていない。F&Nが教育機関と長期的な協力関係を結ぶのは初となる。

7日に開かれた開所式には、オン・イークン教育相やNTUのスブラ・スレシュ学長らが出席した。

新研究所での主な研究項目は、◇発酵◇天然由来の食品保存料◇微生物が分解できる生分解性の食品包装◇栄養価が高く健康増進が期待できる食品――の4つ。

発酵では、プロバイオティクス(腸内環境を改善する微生物)やビタミンなどの微量栄養素などを活用して消化・吸収を助ける食品技術の開発を目指す。

■食品廃棄物から新包装素材開発

食品包装については、NTUがこれまで手掛けてきた豆乳の副産物に関する研究を発展させる。豆乳の生産過程で発生する残渣(ざんさ、濾過=ろか=などの後に残った不溶物)は通常、廃棄されるが、NTUの研究員はこれを利用して食品包装用の生分解性フィルムを開発。新研究所ではこうした食品廃棄物を生かした新素材の研究を進める。

食品廃棄物の削減、有効活用にも取り組む。従来は廃棄物低減に向けて、輸送・保管時の取り扱いや処理が重視されてきた。新研究所では、廃棄物から栄養成分だけを取り出して再利用する技術を確立したい考え。食品の保存可能期間を延ばして廃棄量を低減する技術も検討する。

開所式であいさつに立ったNTUのスレシュ学長は、「NTUはこれまで人工知能(AI)や自動システムなど多様な分野で企業と提携してきた。新研究所の開設を通じて飲食業界に最先端技術を提供し、産業発展への貢献度を高めたい」と話した。

また新研究所での栄養価の高い食品の開発については、「食品は味を楽しむだけでなく、栄養価が高いことが重要だ。将来は新研究所で生まれた栄養豊かな成分が飲食業界で利用されるようになればうれしい」と期待を示している。

NTUの広報担当者は、「NTUでは既に食品分野で多様な研究を手掛けている。こうした実績とF&Nの知見を組み合わせて、将来的には飲食業で利用してもらえるよう開発した技術を商業化したい」と話している。


関連国・地域: シンガポール
関連業種: 食品・飲料その他製造

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