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【18年の10大ニュース】「世界の工場」へ自信深める

例年出足が鈍いベトナムの経済成長率は、2018年は第1四半期(1~3月)から7.45%、6.79%、6.88%と予想を上回るペースで推移し、通年では7.08%の成長を実現した。携帯電話や繊維、履物といった「伝統産業」の輸出が好調なほか、出光興産が三井化学などと合弁でベトナム北中部タインホア省に建設したギソン(ニソン)製油所が商業運転を開始するなど、「世界の工場」としての自信を政府が深め、国外からも期待が高まっていることが感じられる。
18年末には環太平洋連携協定(CPTPP)が発効し、19年には欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)の発効も確実視される。一方で、不安視されていた米中貿易戦争の影響でも、ベトナム経済にはむしろプラスに働く側面が大きいと見られるなど、18年を通じて楽観的なムードが支配的だった。19年は世界経済の減速が予想されており、特に米中への貿易依存度が大きいベトナムには、両大国の市況や動向は気になるところ。グローバル経済が低調になったとしても、ベトナムが従来通りの力強い成長を実現できるのか。「地力」が試される1年になる。