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訪日客目線で売り込みを、商工中金がセミナー

商工中金は14日、増え続けるタイ人の訪日観光客をビジネスに結び付けるためのセミナーを東京都内で開いた。講師は「日本人が薦めたいものとタイ人が好むものに隔たりがあり、消費者のニーズを意識した上での売り込みが必要」などと説明した。小売りや飲食店、バス・タクシー運営会社の関係者らが参加した。

商工中金の佐藤隆久常務は、日本政府観光局(JNTO)が発表した2018年1~9月の国別訪日客数に触れ、「タイは中国や韓国などと共に上位6カ国に入る。伸び率で見ると、前年同期比16.3%と中韓の伸びを上回る」とタイ人のインバウンド需要の有望性を強調した。

講師として、エイチ・アイ・エス(HIS)東南アジア統括営業本部の中村謙志統括部長、バンコック銀行の小澤仁副頭取、海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)の投資連携・促進グループの児山善成部長が登壇した。

バンコック銀行の小澤副頭取が、タイ人訪日客の好みを分析した=14日、東京(NNA撮影)

バンコック銀行の小澤副頭取が、タイ人訪日客の好みを分析した=14日、東京(NNA撮影)

■リピーター向けルートの開発を

中村氏は、タイ人訪日客の最近の傾向として、個人旅行のリピート客が増えていると紹介。訪日を重ねるごとに、東京や大阪、京都、富士といった定番の「ゴールデンルート」から、仙台市や広島市、金沢市といった地方都市へと訪問地が広がると指摘した。小澤氏も、「名古屋や北陸を中心とした『ドラゴンルート』、北海道南部や九州北部を5泊6日程度で巡る旅行が人気」と説明。旅行ルートのさらなる拡大に向けて、自治体間の広域的な連携が欠かせないと述べた。

リピート客の「より深く日本を体験したい」というニーズに対して、中村氏は「例えば、アニメやゲームといった日本の文化に触れることができる秋葉原を薦めている。小さい店が多く、入りづらいという声があったが、秋葉原の街全体で協力している」と紹介した。また、会員制交流サイト(SNS)や口コミを駆使するタイ人観光客からは「どこに行けば大盛りのラーメンが食べられるのか」といった問い合わせも多いと述べた上で、「日本の情報がタイ語で検索できる必要がある」と述べた。日本と同様に、男性よりも女性の旅行者が多い点や、現役世代が両親を連れて旅行する三世代旅行も盛んであり、無料通話アプリ「LINE(ライン)」のほかフェイスブック、インスタグラム、ツイッター、タイの電子掲示板「パンティップドットコム」といったSNSを駆使した情報収集を行うという。

■タイ人が好むものとは

小澤氏は、日本人が薦めたいものとタイ人が好むものに隔たりがあると指摘。文化や宗教観の違いに触れて、温泉は「タイでは、基本的に人前で裸にならない。時間を決めて個別に入浴できるように配慮することや、内風呂にするなどの工夫が必要」と述べた。また、あんこを使った食品について「日本人が海外で販売されているペットボトル入りの甘い緑茶飲料に違和感を持つように、タイでは甘くして食べる習慣のない小豆はタイ人に受け入れにくい」と認識の違いがある点を紹介した。

小澤氏は、タイ人が訪日観光に期待する買い物と食事、観光地の3つを日本人が間違いやすい点とあわせて紹介。とりわけ、自分の旅行を知人などに知らせたい、写真を撮りたいというニーズの強い訪日客に対して、「日本人にとってなじみ深い史跡などに連れて行ってもあまり喜ばれない」と述べ、「川下りやイチゴ狩りなど体験できるものや、写真映えのする風景を提供することが鍵」と述べた。また、「訪日客の多くはバンコクに住む所得の高い層であるため、ブランド品や高級品が手に入るショッピングの時間が重要」と述べた。

児山氏は、クールジャパン機構が手掛ける30案件の中で、海外で日本の番組を放送する有料チャンネル「ワクワクジャパン」を紹介。東南アジアで認知度の高い日本人タレントを起用した番組のほか、地方自治体の観光番組などを例に、マーケティング・プラットフォームとしての活用法を強調した。


関連国・地域: タイ日本
関連業種: 観光

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