インキ世界最大手DIC(東京都中央区)は8日、インドネシアの全額出資子会社DICグラフィックス(DICG)の西ジャワ州カラワン工場で今年1月から本格開始した、ボイラー用燃料にパームヤシ殻(PKS)を使用する取り組みが順調に進んでいると発表した。石炭使用に比べ、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減できる。同工場では顔料を生産している。
カラワン工場のボイラー用燃料におけるPKS利用比率は現在25%。年間約1万トンのCO2削減に成功しており、当面はこの利用比率を維持していく。グループ全体の削減量の約2%にあたる。
DICコーポレートコミュニケーション部の関係者は「石炭よりもコストはかかるが、同じ固形燃料なので現有設備をそのまま利用できる。発熱量も石炭とほぼ同じ。インドネシアに豊富にあるPKSを活用してCO2削減に貢献できるので、この取り組みを始めた」と語った。
カラワン工場では2017年に、エネルギーマネジメントシステムの国際規格「ISO―50001」認証を取得、環境負荷低減への取り組みを開始した。同じ年に石炭使用量の約12%をPKSに置き換え、年間約5,000トンのCO2排出削減を実現した。DICは13年を基準年とし、20年時点でCO2排出量を7%削減(年平均1%)する目標を掲げている。
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