• 印刷する

サントリーホール、教育事業で国立大と協働企画

サントリーホール(東京都港区)はこのほど、次世代の音楽家育成プログラムの一環で、シンガポール国立大学(NUS)の音楽学部に当たるヨン・シュートー(YST)音楽院との協働企画を実施した。シンガポールの大型劇場エスプラネードとも中長期的な協力関係を構築しており、今後もアジアのクラシック音楽の発展に向けて交流を進める意向だ。

教育事業の一環でシンガポールを訪問したサントリーホールの総支配人、市本徹雄氏(左)と館長の堤剛氏=23日、シンガポール中心部(NNA撮影)

教育事業の一環でシンガポールを訪問したサントリーホールの総支配人、市本徹雄氏(左)と館長の堤剛氏=23日、シンガポール中心部(NNA撮影)

サントリーホールは施設運営だけでなく、次世代を担う若手音楽家を支援する「エンジョイ!ミュージック・プログラム」を推進しており、室内楽、オペラの2つのアカデミーを開講している。

今回のシンガポールでの教育事業は同プログラムの一環。18日から25日にかけて室内楽アカデミーのフェロー(受講生)7人がシンガポールを訪問。YST音楽院の学生と交流を図った。20日にはYST音楽院でフェローによる公演が開かれたほか、24日には中心部にあるビクトリア・コンサート・ホールでフェローとYST音楽院の学生による合同演奏会が行われた。

またサントリーホールの館長で世界的なチェリストでもある堤剛氏が、YST音楽院でマスタークラス(第一線の演奏家が直接指導する公開レッスン)を実施。室内楽アカデミーの講師を務めるバイオリニストの池田菊衛氏と花田和加子氏の2人も、YST音楽院の学生の指導に当たった。

■16年に続き2回目の開催

サントリーホールがYST音楽院と協働企画を実施するのは今回が2回目。前回は2016年にYST音楽院、サントリーホールでそれぞれ合同演奏会を開いている。

サントリーホールの総支配人である市本徹雄氏は、「16年にエスプラネードでサントリーホールが制作した古代祝祭劇『卑弥呼』の公演が行われた際に、YST音楽院と交流ができないかという話が持ち上がった(のが協働企画のきっかけ)。同年秋にYST音楽院の学部長が来日し、サントリーホールとの相互交流を促進するための覚書を締結した」と話した。

堤氏はシンガポールのクラシック音楽業界について、「(多様な民族、文化に関連した公演が行われている)エスプラネードに代表されるようにダイナミズムを感じる。クラシック音楽界の発展に貢献しようとリーダーシップをとる姿勢もサントリーホールと共通している」と説明。引き続きYST音楽院、エスプラネードとの提携・協力を推進することで、アジアの音楽界の発展に寄与したい考えを示した。

サントリーホールは16年に開館30周年を迎えたのに合わせて、エスプラネードと中長期的な協力関係を構築。「卑弥呼」の公演もこの一環で、今後は公演企画のほか、ホール運営などでも人的交流を促進したい考えだ。

海外のホールとの提携では、オーストリアのウィーン楽友協会ホールや米カーネギーホールと教育プログラム、企画の相互活用などで提携しているが、アジアで本格提携を結んでいるのはエスプラネードだけ。エスプラネードも日本との関係強化を進めており、同社の代表が今秋に東京の大学を訪問する計画もあるという。

サントリーホールとエスプラネードは、アジア太平洋地域の文化施設間のネットワーク構築を目指す組織「アジア太平洋パフォーミングアーツセンター連盟」(AAPPAC)の会員でもあり、今後も域内各国・地域のホールとの連携を強化したい考え。

サントリーには創業者・鳥井信治郎氏が信念としていた「利益三分主義」という考えがあり、事業で得た利益を「事業への再投資」「得意先・取引先へのサービス」だけでなく、「社会への貢献」にも役立てる取り組みを積極的に進めている。サントリーホールの運営もこの一環となる。

ビクトリア・コンサート・ホールで行われた合同演奏会=24日、シンガポール中心部(YST音楽院提供)

ビクトリア・コンサート・ホールで行われた合同演奏会=24日、シンガポール中心部(YST音楽院提供)


関連国・地域: シンガポール日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済社会・事件

その他記事

すべての文頭を開く

テイクオフ:シンガポール人の知人か…(10/22)

EVFTAの妥結へ一歩前進 EU、東南アとの協定拡大に本腰(10/22)

新興企業との連携スペース開所 独インフィニオン、本国含め世界初(10/22)

EUとFTAに調印、貿易・投資促進に期待(10/22)

リー首相、ベルギーで安倍首相と首脳会談(10/22)

南シナ海問題で協力、ASEAN拡大国防相会議(10/22)

空飛ぶタクシー、来年に都市部の試験飛行(10/22)

UBS幹部、本土で拘束か=出張回避も(10/22)

C4NGP開所、次世代の港湾管理を研究(10/22)

ラザダの宅配、セブン店舗で受け取り可能に(10/22)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社エヌ・エヌ・エーは一切の責任を負いません。

NNAからのご案内

出版物

各種ログイン