当地のメディアでは、今後もしばらくデラロサ国家警察長官の丸刈り頭を目にすることになりそうだ。
フィリピンでは軍隊や警察は56歳を定年退職に規定している。デラロサ氏は今年1月に56歳の誕生日を迎えた。ただ、ダバオ市の警察署長を務めた同氏は、ドゥテルテ大統領とは旧知の仲。大統領はかねて「デラロサ氏の任期を2018年4月まで延期する」と述べていたが、ここへ来て「もう少し延ばす」と慰留の意向をもらした。
ドゥテルテ政権は16年6月に発足した。1年半後に定年になる人物をなぜ長官に据えたのか。そんな批判を現地メディアはあまり報じない。思い返せば国軍のゲレロ参謀総長も昨年、就任から数カ月で56歳の誕生日を迎え、定年が延期になった。海の向こうからは、国のトップの任期を撤廃する案が聞こえる。「終身」の二文字を思いがけなく近い距離に感じるフィリピンだ。(成)
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