シンガポール航空(SIA)は29日、航空業界のデジタル化を推進するため、複数の政府機関などと提携すると発表した。この日、同社の訓練センターで開かれた記念式典にはS・イスワラン通産相(産業担当)らが出席した。
SIAはこれまでもデジタル技術の導入を推進しており、現在、新興企業など第三者と協力して新技術の開発などを手掛ける「デジタルイノベーション・ラボ」を設立中。こうした取り組みをさらに進めるため、今回「デジタルイノベーション・ブループリント」と銘打ったデジタル化推進計画を打ち出した。
これに基づき、科学技術研究庁(ASTAR)、民間航空庁(CAAS)、経済開発庁(EDB)、シンガポール国立大学(NUS)とそれぞれ手を組む。CAAS、EDBとはシンガポールをアジア太平洋地域の航空ハブとするため、業界のデジタル化を目指すエコシステム(複数の企業や団体が共存共栄する仕組み)を共同で構築する。ASTARとは機材の保守・点検作業の効率化に向け、データ解析、モノのインターネット(IoT)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)といった新技術を活用することで合意書を締結。NUSとは2つの覚書を交わしており、経営学部、コンピューター学部、工学部とそれぞれ共同研究プロジェクトを推進するほか、NUSの起業支援部門NUSエンタープライズと関連業界の新興企業、人材の育成などで協力する計画だ。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社エヌ・エヌ・エーは一切の責任を負いません。