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【アジアで会う】勝田隆仁さん BNK48仕掛け人 第173回 日タイ融合モデルで存在感(タイ)

かつた・たかひと 1971年生まれ、兵庫県出身。94年に慶応大学法学部を卒業後、三菱商事入社。2012年に退職するまで自動車やメディアコンシューマー事業に携わる。独立後はタイ人パートナーと共に日本関連のイベントやテレビ番組を制作。現在は16年に設立したローズ・アーティスト・マネジメントをベースに主にタイと日本の間でタレント、コンテンツ、メディア、フード、ライフスタイル事業を展開。BNK48オフィスでプロデューサーを務め、日本とタイを月2回ほど往復する生活を送る。

ポップでかわいらしい衣装に、息の合ったダンス。キャッチーな耳慣れたメロディーとともに聞こえてくるのはタイ語だが、立ち居振る舞いのそれは「日本のアイドル」そのもの。今年2月のお披露目から半年ほど、AKB48の海外姉妹グループであるBNK48は、CDの発売に人気テレビ局での冠番組、多数の日本、タイでのイベント出演と活動の場を急速に広げている。

9月にバンコクで開催された日本関連イベント「ジャパン・エキスポ・イン・タイランド2017」のステージでは大トリとして登場し4,500人の観客を集め、驚異的な集客力も話題となった。このBNK48をプロデュースするチームの主要メンバーが勝田隆仁さんだ。BNK48が拠点とするバンコクの商業施設内の公開スタジオに顔を出すと、熱心なファンがあいさつするなどBNK48ファンの間で知られた存在となっている。

■継続性のあるコンテンツを

BNK48という唯一無二のコンテンツに出会うまでは、紆余(うよ)曲折があった。商社を退職後、中国でのメディア展開を計画していたが、当時は尖閣諸島の問題で日中関係が冷え込み、中国での日本コンテンツ事業は困難に。

東南アジアでの事業展開を模索する中、タイで日本のアニメ事業を手掛けていたパートナーに出会い、「アニメ以外の日本の幅広い商材をタイで展開する」という思いで一致。日本関連の番組やイベントを展開し、タイでクールジャパン関連の事業がある時は声を掛けられることが増えるなど実績を積み上げてきたものの、単発の企画が多く、「継続して露出できるコンテンツがないと日本コンテンツの浸透に結びつかない」との思いが強まっていた。

日本だけでなく海外でもAKB48グループを展開するAKSの担当者から「タイでAKB48の姉妹グループに興味のあるパートナーを探している」という話があってからの展開は早かった。日本のノウハウやブランディングを守ることを前提に、勝田さんが株主・役員を務めるローズ・アーティスト・マネジメントとAKSが共同でBNK48オフィスを昨年設立。現地主導の体制を構築し、1期生の選出から1年足らずで、有名アーティストでもCDの平均販売枚数が2,000~5,000枚のタイで、デビューシングル「会いたかった(タイ語版)」(7月発売、握手券付き)を1万3,500枚売り上げるなど急成長を遂げた。

■アジアで一番のコンテンツに

頻繁にファンとの交流会を開いてKポップファンの増加につなげている韓国や、映画からグッズ販売を伸ばしている米マーベルやディズニーに対し、日本の良質なコンテンツがアジアでプレゼンスを失いつつあるとの危機感がある。「コンテンツが入り口となって、たこ焼きやラーメンといった日本の文化に触れる機会を創出するという循環がなくなると、5年後ぐらいにボディーブローのように効いてくる」

だからこそ、「日本の血が入った日タイ融合のハイブリッド型コンテンツ」であるBNK48を、「メンバーが変わっても安定して続くプラットフォームとして、アジアで一番強力な日タイのタレントコンテンツにしたい」との思いは強い。バンコクを軸に東南アジア諸国連合(ASEAN)他国や日本での活動を増やしたり、ASEAN出身メンバーを入れたり。さらに来年設置予定のBNK48劇場には、タイ初進出の京都のラーメン、大阪のたこ焼き、岡山のフルーツゼリー店を設置するなど、エンターテインメントと食を組み合わせた日本のコンテンツ・ライフスタイル事業の面展開も加速する。

「タイで日本のことをどんどんやる」という軸を定めた2012年から5年、休みなく走り続けている。(タイ版編集・中島桃子)


関連国・地域: タイ日本
関連業種: メディア・娯楽社会・事件

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