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《タイ人材セミナー》管理者に求められる視線

NNAタイランドとトムソン・ロイターは6月16日、タイの首都バンコクで労務・人材管理セミナーを開催した。長島・大野・常松法律事務所の箕輪俊介弁護士、日本能率協会コンサルティング(JMAC)タイランド(JMACタイ)の勝田博明マネジングディレクター、トムソン・ロイター・ジャパンの平塚マルセロ市場開発部部長が講師として登壇し、タイで職場の管理者にどのような視点が求められるか、製造業コンサル、法律、情報サービスの3業界それぞれの立場で課題と対応策を解説した。

■懲戒処分・解雇と不正の問題

日系企業がタイでトラブルに巻き込まれる典型的な例に、従業員の懲戒処分・解雇と、不正をめぐる2つの問題が挙げられる。懲戒処分については、減給処分が判例上禁止されているため従業員の同意が必要となる。給与の支払いを伴わない出勤停止処分は、就業規則に懲戒処分の一つとして定められている場合は可能である。

解雇には、解雇補償金を支給する必要がなく即日解雇が可能な懲戒解雇と、解雇補償金を支給する必要があり、1給与期間前に書面で解雇を予告する普通解雇がある。解雇された労働者は、労働裁判所法第49条に基づき、解雇の状況が不公正であることを理由に労働裁判所で雇用者を提訴することが可能である。

コンプライアンス意識の高まりからか不祥事への対応は増加している。不正防止の仕組みを作り、不正発覚のための体制作りを積極的に行うなど、作りこんだコンプライアンスマニュアルの導入と活用、また合理的な決済システムの導入が求められる。

■グッドファクトリー賞の受賞企業の共通項

グッドファクトリー賞は、生産性向上・品質向上をはじめとした幅広い工場革新活動で成果を上げた工場・事業所を顕彰する、4つの賞で構成された表彰制度である。

複数の受賞企業には、企業姿勢や信頼関係の構築、将来像の提示、経営数値の共有、安全第一、育成に対するこだわりといった、いくつかの共通項が見える。

経営トップが自責の念を持ち、人の作業ミスは仕事の与え方やデザインに責任があるといった考え方を少なくとも日本人駐在員の間で共有していること、社員全員を一人一人尊重した経営が行われていることに加え、定期的に交代する社長以下、日本人駐在員間で業務そのものだけでなく人材プロファイルの引継ぎがなされるなど、教育姿勢や方針に一貫性があってぶれないことが重要である。

■人材教育プログラムの課題

課題としては、海外現地拠点におけるコンプライアンス文化の構築・強化、ローカル人材のリテンションやスキルの向上を、ローカル言語を用いた適切なプログラムで提供することが必要となる。

また訴訟時の対応を踏まえ、研修の履歴管理が求められる。贈収賄や独禁法、データ偽装に関する事件が増える中、適切なコンプライアンス体制を有しており、それをエビデンスとして提出・証明することで、法人として罰金を免除された例もある。

コンテンツの提供力、開発力や対応言語、学習管理システムや導入後のサポート体制など、Eラーニングの活用が費用対効果も高いことから推奨される。

(左から)登壇したJMACタイの勝田社長、長島・大野・常松法律事務所の箕輪弁護士、トムソン・ロイター・ジャパンの平塚マルセロ市場開発部長(NNA撮影)

(左から)登壇したJMACタイの勝田社長、長島・大野・常松法律事務所の箕輪弁護士、トムソン・ロイター・ジャパンの平塚マルセロ市場開発部長(NNA撮影)


関連国・地域: タイ日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務

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