「君の名は。」の川村プロデューサーに聞く

世界的にヒットしている日本の長編アニメーション映画「君の名は。」のプロデューサー、川村元気氏が15日、香港で開かれている映像コンテンツの見本市「第21回香港フィルマート」でNNAの取材に応じた。

作品作りにかける思いなども語った川村プロデューサー=15日、HKCEC(NNA撮影)

作品作りにかける思いなども語った川村プロデューサー=15日、HKCEC(NNA撮影)

アジアでも最大規模の香港フィルマートを見た印象として、「中国映画界の勢いがそのまま伝わってきた。その一方で、これがいつまで続くかなという不安もある」とコメント。「現在、日本からカメラマンやディレクター、原作などが“輸出”されているが、(製造業などでは)中国がすぐに技術を吸収し(独自で)作れるようになってきたように、エンターテインメントもその例外ではなくなり、日本から“輸出”してきたものが今後不要になる可能性もある」と述べた。そういった危機感を今回のフィルマートでひしひしと感じたという。それを踏まえ、「今後、自分たちが何がおもしろいストーリーなのか、何が美しい映像なのか、改めて自覚しないといけない」との考えを示した。

「君の名は。」は世界各地で公開されているが、川村氏はその過程で、「コモンセンス」を見つけることが大事だと実感。「映像のきれいさ、音楽のよさ、それだけでは売れるはずがない。映画の中には、思春期に頭の中で想像していた世界や誰かを救えなかったと後悔していることなど、みんなが求めている要素が含まれていた。それらをしっかり表現できていれば、アニメーションフィルムという世界では(作品は)一瞬で世に広まることが可能なのだと確認できた」と述べた。

川村氏は同日午後、フィルマートで開催されたパネルディスカッションに登壇。作品作りのヒントが生まれる背景や、小説と映像の表現の使い分け、川村流の映像作りなどについて話した。新海誠監督と作り上げた「君の名は。」のストーリーコンセプトについては、◇男女が入れ替わるラブストーリー◇ロックミュージックがかかる◇夢で男女が出会い恋に落ちるという日本の古典的要素◇2011年に発生した東日本大震災で(多くの命を)助けられなかったという後悔――と、レイヤー(層)を複雑に重ね、多層的な楽しみ方ができるものを作り上げたという。

映画タイトルを付ける過程では、いくつもの候補がある中で、せりふの中で最も多く使われた言葉を抽出してみたところ、「君の名前は」だったことが判明、最終的にタイトルに起用されたという裏話も披露した。

川村氏は1979年生まれ。2001年に東宝に入社した。「君の名は。」のほか、「電車男」「告白」「おおかみこどもの雨と雪」などをプロデュースしてきたほか、小説「世界から猫が消えたなら」や絵本も手掛けている。


関連国・地域: 中国香港日本
関連業種: マスコミ・出版・広告

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