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【16年の10大ニュース】年初にテロ、景気は一進一退

2016年のインドネシアは、1月14日に首都ジャカルタで連続爆弾テロ事件が発生し、死者4人、けが人25人を出すという暗い幕開けだった。
経済では、ジョコ・ウィドド政権が引き続き経済政策パッケージを次々と打ち出し、規制緩和の姿勢を鮮明にして景気のテコ入れを図った。インドネシア中央銀行も6回の利下げを断行し、金融緩和による景気浮揚に努めた。だが景気は一進一退が続いた。
自国民・自国企業の海外資産の把握と還流を狙ったタックス・アムネスティ(租税特赦)制度は内外から注目された。海外からの資金還流は政府の目標を大きく下回っているが、一定の評価も聞かれる。
ジョコ大統領は2年連続で内閣改造を断行。有力政党ゴルカルの合流で与党陣営が拡大し、政権基盤は強化された。ただ、バスキ・ジャカルタ特別州知事(来年2月の知事選出馬のため休職中)がイスラム教を侮辱したとして宗教冒瀆(ぼうとく)罪で起訴されたり、大規模デモが起きたりしたことに乗じて、イスラム強硬派台頭の兆しがみられることを警戒する向きがある。