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【16年の10大ニュース】政治混乱に国民怒る、経済停滞の懸念も

2016年の韓国は、後半になって経済と政治を揺るがす大事件が相次いだ。8月末の韓進海運の経営破綻を皮切りに、9月にはサムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーノート7」の発火問題が発生、そして10月以降に明らかになる朴槿恵大統領と友人をめぐる疑惑に国民の怒りが爆発した。「泣きっ面に蜂」状態で年越しを迎えることになった。
世界7位の海運会社である韓進海運の経営破綻は、韓国だけでなく日米や東南アジアなど世界の物流網を混乱させた。本拠地の釜山港での取扱量が減ったことで、荷役などを手掛ける下請け業者が破産するなど関連企業も大きなダメージを受けた。
「ギャラクシーノート7」の生産中止は輸出の不振につながり、業績を悪化させた。経済成長への貢献度が高いサムスンのつまずきで、国内総生産(GDP)伸び率も下押しされた。
政治も混乱を来した。友人の国政介入疑惑などで求心力を失った朴大統領に対して、国会は弾劾訴追案を可決。来年の憲法裁判所の判断まで弾劾の成立は持ち越されるが、大統領選挙の前倒しは確実とされる。
保護貿易主義を掲げる米国のトランプ氏の大統領当選や中国経済の成長鈍化など対外的な不確定要素が増える中、2017年の韓国は「政治と経済を立て直す司令塔の不在」という難題を抱えながらスタートすることになる。