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シンガポール

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缶入り日本酒を展開するスタートアップ企業のAgnavi（アグナビ、神奈川県茅ヶ崎市）は８日、シンガポールの大手スーパーマーケット「コールドストレージ」で「ICHI-GO-CAN（一合缶）」ブランドの缶入り日本酒の販売を開始した。日本酒を少量から楽しめる商品として、シンガポールで需要を喚起する。
一合缶は、日本各地の地酒を１合サイズ（約180ミリリットル）の缶に仕立てた商品だ。海外のスーパーで販売するのはシンガポールが初という。
アグナビの玄成秀代表取締役はＮＮＡに対し、「コールドストレージでは10種類の一合缶を販売する」と説明した。10種類は「純米吟醸・酒魂（玉乃光酒造、京都市）」「純米吟醸・越後鶴亀（越後鶴亀、新潟市）」「純米吟醸・じょっぱり（六花酒造、青森県弘前市）」など。販売価格は１本10Ｓドル（約1,045円）だ。
中心部の商業施設「タングリン・モール」や「グレートワールドシティー」にあるコールドストレージ系のスーパーマーケットで販売する。まず限定本数を出荷し、今後は販売動向を見ながら取扱数量を広げたい考えだ。
アグナビは、神奈川県が社会課題の解決に取り組むベンチャー企業の事業拡大を支援する「かながわ・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム（ＫＳＡＰ）」で、2021年度の採択企業に選ばれていた。
シンガポールではこれまで神奈川県の支援の下、旅行大手エイチ・アイ・エス（ＨＩＳ）がシンガポール中心部に構える支店内で２～３月に開かれた「神奈川フェア」、ＪＲ東日本が同中心部で運営する飲食店「ジャパン・レール・カフェ」で７月に開催された「神奈川県平塚七夕フェア」でそれぞれ一合缶のテスト販売を実施。現地の消費者やバイヤーへのＰＲを進めてきた。
アグナビの玄氏はシンガポールでのテスト販売について、「少量（の日本酒缶）のニーズの高まりや、商品選択の楽しさを訴えられたと感じている」と述べた。
海外ではシンガポールのほか、今月21日には香港でも販売を開始する。今後はシンガポールを訪問したバイヤーなどを通じて、他国・地域への展開にも力を入れる意向だ。
アグナビは2020年設立。一合缶は「小容量」「持ち運びに便利」「缶はリサイクル可能で環境に優しい」「日本酒の大敵である紫外線をカットし、樽のままのような新鮮な状態で消費者に届けられる」といった特長がある。日本では既に販売を開始している。

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