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【17年の10大ニュース】服喪の中で経済成長が加速

タイの2017年は、16年10月に死去したプミポン前国王の服喪ムードに包まれながら静かに幕を開けた。過去数年のような目立った政情の混乱は見られず、経済は回復に向けて着実に歩みを進めた。輸出の回復と観光業の好調などに支えられ、第3四半期(7~9月)には四半期ベースで4年半ぶりとなる高成長を記録。新車市場も5年ぶりの拡大が見込まれるなど、明るい話題が相次いだ。18年はより一層の成長加速が見込まれるが、「中進国のわな」からの脱却という課題は残されたまま。少子高齢化に伴う労働力不足や社会構造の変化への対応も求められる。発足4年目を迎えた軍事政権は、経済特区(SEZ)「東部経済回廊(EEC)」の開発など、産業の高度化に向けた取り組みに注力しているものの、いまだ目立った成果は挙げられていない。経済政策への批判や政治活動の解禁を求める動きが強まる中、プラユット首相は総選挙を来年11月に実施すると明言した。経済成長を追い風に、軍政がどこまで国民の支持を得られるかに注目が集まる。