日本航空（ＪＡＬ）と日本郵便は29日、４月１日から国際スピード郵便（ＥＭＳ）を利用した日本からシンガポールと台湾に向けた小口保冷配送サービスを１年間試験…

シンガポール

新サービス名は「クールＥＭＳ」。日本からの発送のみになる。日本郵便の担当者はＮＮＡに対し、「両国・地域は現地で日本食の人気が高いことや、食の安全への関心が高まっていること、さらに訪日観光客数が増加していることから、日本の食品に対するニーズが強まっている。さらに現地駐在員からも日本の食品・食材を求める声が多い。こうした需要に対応するため、現地の郵便配送システムが整備されており、郵便事業会社がサービスに前向きだったシンガポールと台湾で試験的に実施することとなった」と説明した。
ＪＡＬ国際線が持つ保冷航空輸送のノウハウと日本郵便のＥＭＳネットワークを組み合わせて、翌日か翌々日に配達する。引受から配達まで２～10度前後の冷蔵温度を最大80時間維持できる専用保冷容器・保冷剤を用いる。引受・国内輸送・国際郵便局通関と、海外国際郵便局の通関・現地国内輸送・配達は日本郵便とそのＥＭＳネットワークを活用。航空輸送をＪＡＬが担当する。貨物の大きさは最大で日本郵便が販売する「ゆうパック包装用品（中）」程度（34×26×23センチメートル）、重量は15キログラムまでに制限する。価格は500グラムでまでなら7,000円、２キログラムだと8,600円。最大重量の15キロで２万4,600円となっている。一般観光客や在外邦人向けの冷蔵小包のほか、通販会社や百貨店など小売店を主要な利用客と設定している。
■配送網の拡充目指す
まずは千歳郵便局（北海道千歳市）と川崎港郵便局（川崎市川崎区）を差出郵便局に指定し、両局限定で同サービス向け配送を開始する。前者は空港に近いこと、後者は大手通販会社が海外配送で利用していることから指定を受けたという。差出の際には予定日の一週間前までに利用の申し出が必要となる。同担当者は「１年間の試行期間中に、同サービスの問題点や利用状況を検討して、香港、上海、韓国など他のアジア都市への配送を検討する。さらに関西や九州にも差出郵便局を指定するなど、国内外でサービスの拡充を目指していく」と話した。

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