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ベトナム政治の座標軸

ベトナムは今年9月、かつての敵国アメリカとの外交関係を包括的戦略パートナーに格上げし、伝統的友好国とされるロシア、中国などと並ぶ最優先国に位置付けた。米中対立やロシアと欧米の分断が進む中、ベトナムはどちらか一方の陣営に与しない全方位外交を掲げるが、ロシアのウクライナ侵攻への批判を避けるベトナム政府に国内からも批判が出るなど、その路線に限界も見える。ベトナムの対外関係と内政の基本方針を決める共産党政治局の基軸はどこにあり、重要な国際問題や内政課題にどう取り組もうとしているのか。長年、ベトナムの政治・軍事研究に関わってきた気鋭の専門家に、そのヒントを読み解いてもらう。