オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[48]「豪州民事訴訟実務の概要(25)――紛争となった時の対策、弁護士の有効活用法」社会マクロ経済政策・法律・規制いかに紛争、訴訟リスクの極小化のための対策を施しても、ビジネスを行う上で紛争は完全には回避できないのが現実です。 問題があればできるだけ早期に対応してこ…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[47]「豪州民事訴訟実務の概要(24)――企業の紛争、訴訟リスク回避策について」社会マクロ経済政策・法律・規制ビジネスをしていく上で紛争、訴訟の「種」は尽きません。いわく労務関係(不当解雇など)、諸契約違反、保証責任、職場の健康安全保持(OHS: Occupational Health…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[46]「豪州民事訴訟実務の概要(23)――豪州の裁判で日本居住者を訴えるには、執行するのは」社会マクロ経済政策・法律・規制裁判をどこの裁判所でするかには、裁判の目的、当事者のビジネス判断、合意、法規定に拘束されるなどの諸事情がからまってきます。 豪州の裁判所で原告として裁判…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[45]「――豪州法のもとでは代表訴訟として規定される」社会マクロ経済政策・法律・規制いわゆる「クラスアクション」と通称される裁判手続は、自動車機器、医療品、食料品の製造業者などを相手どっての被害者集団からのクレームを扱う特殊な裁判手続…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[44]「豪州民事訴訟実務の概要(21)――証拠調べ手続きと証人出廷の通訳・経費」社会マクロ経済政策・法律・規制前回とり上げた証拠調べ手続き(trial)での外国からの証人出廷、通訳と経費について、今回はそれにまつわる「実話」をご紹介します。 ※※※ まず外国からの証人呼…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[43]「豪州民事訴訟実務の概要(20)――証拠調べ手続きは一気呵成社会マクロ経済政策・法律・規制証拠調べ手続き(trial)は一度開始されたら最終弁論まで連日で行うのが原則です。次回の証拠調べ手続きは2カ月後、といって第何回目証拠調べ手続きを行うといった…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[42]「豪州民事訴訟実務の概要(19)――簡易判決とその申し立ての真の意図社会マクロ経済政策・法律・規制前回は証拠調べ手続きについて述べましたが、煩雑かつ時間、経費のかかる証拠調べ手続きをできるだけ避けて、事前に紛争の決着を原告の側から仕掛けていく方法の…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[41]「豪州民事訴訟実務の概要(18)――和解の申し入れ」社会マクロ経済政策・法律・規制原告の立場からみて100%勝訴の場合にも、すべての裁判費用が回収できない現実(50~60%程度が回収できる例が多い)は無視できません。むろん敗訴すれば請求金額…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[40]「豪州民事訴訟実務の概要(17)――証拠調手続き(TrialないしHearing)」社会マクロ経済政策・法律・規制いったん提訴された案件も、訴答(クレーム書面、答弁書など)の交換をしている間に訴訟外の和解となるケースが多く、最終的に証拠調手続きに至る件数は半分程度…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[39]「豪州民事訴訟実務の概要(1)――質問書によるディスカバリー(Interrogatory)」社会マクロ経済政策・法律・規制前回は「文書リストによるディスカバリー」を解説しました。これと対を成すのが「質問書によるディスカバリー(interrogatory)」です。 この一方当事者からの要求…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[38]「豪州民事訴訟実務の概要(15)――文書によるディスカバリー(証拠開示手続き)」社会マクロ経済政策・法律・規制前回まで本稿で解説しましたクレーム書面、答弁書など「訴答」の交換が終了したところで、証拠調手続きの準備に入ります。各当事者は相手方に対して主張を基礎づ…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[37]「豪州民事訴訟実務の概要(14)――訴状など支える『証拠』はバーコードで整理」社会マクロ経済政策・法律・規制典型でいえば原告のクレーム書面(Statement of Claim)では請求内容とそれの支えとなる要件事実を、被告の答弁書(Defence)では原告の主張する個々の要件事実に対す…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[36]「豪州民事訴訟実務の概要(13)――答弁書と挙証責任、訴え却下の申し立てと反訴」社会マクロ経済政策・法律・規制前回の本欄で、原告からのクレーム書面(Statement of Claim)に対して、被告が答弁書(Defence)で返答する際にとり得る「態度」のオプションについて述べ、そしてそ…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[35]「豪州民事訴訟実務の概要(12)――答弁書(Defence)の内容と挙証責任」社会マクロ経済政策・法律・規制原告からの請求の趣旨(例えば「物品の売買代金を支払ってほしい))と原因(たとえば「何日付の物品販売契約により何月何日に某運送会社を通じて配達した」)を…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[34]「豪州民事訴訟実務の概要(11)――被告の対応:応訴の通知と欠席判決」社会マクロ経済政策・法律・規制民事裁判手続きで原告(Plaintiff)による訴状の送達を受けた被告(Defendant)は、次項の「受けて立つ」ことも含め、どのオプションを採るか、手元にある証拠、相手…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[33]「バリスタ(法廷弁護士)起用のタイミング――立ち上がりに扇の要(かなめ)を押さえること」社会マクロ経済政策・法律・規制たとえば相手方の契約違反を理由とした損害賠償請求の交渉がラチがあかず止むなく訴訟を起こす時、あるは被告として訴えられ受けて立つか決める時、担当ソリシタ…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[32]「豪州の民事訴訟の実務の概要(10)――クレーム書面と宣誓供述書などのつながり」社会マクロ経済政策・法律・規制民事裁判手続きでの訴答(Pleading)たる、原告(Plaintiff)によるクレーム書面(Statement of Claim)、被告(Defendant)による答弁書(Defence)、原告による(被告の…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[31]「豪州の民事訴訟の実務の概要(9)――いきなり最高裁判所で裁判?」社会マクロ経済政策・法律・規制裁判手続きに関し担当弁護士から入る連絡を読むにあたり「判りにくい」と、まずよく質問されるのが、訴状(Writ; Writ of Summon))と訴答(Pleading)、クレーム書面…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[30]「豪州の民事訴訟の実務の概要(8)――争う時は訴状送達28日以内に」社会マクロ経済政策・法律・規制訴状が送達された日は重要な「基準日」です。法は「送達を受けてから28日以内に争う旨の所定の通知(Notice of Intention to Defend)を裁判所に提出した上で原告に…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[29]「訴訟の行方・費用はチームに左右される―引くか押すか決定のダイナミズム」社会マクロ経済政策・法律・規制訴状が送達され、裁判手続きが開始された案件で、証拠調手続き(trial)を経て判決に至る確率は20%ぐらい、残りの80%では被告が請求を認容して(支払いなどをして…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[28]「豪州の民事訴訟の実務の概要(7)――法廷弁護士(バリスタ)とは?」社会マクロ経済政策・法律・規制豪州でビジネスをしている過程で、たとえば契約条項の解釈、事実関係についての争いなどの紛争がこじれて来て、さて裁判の場で争うか妥協案でも出すか、あるいは…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[27]「豪州の民事訴訟の実務の概要(6)――訴訟の送達はどのようになされるか」社会マクロ経済政策・法律・規制「相手方(被告)」に裁判手続きが始まっていることを知らしめ、自分の弁解や言い分、主張を開陳(一般に「防御」という)する機会を与えることは、裁判を受ける…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[26]「豪州の民事訴訟の実務の概要(5)――訴訟はどのような手続きから始まるか」社会マクロ経済政策・法律・規制豪州のいずれの州でも、民商事について事実関係の争いか、主としていわゆる法律上の問題についての争いかを訴訟手続上区別しています。事実関係の争いの訴訟では…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[25]「豪州の民事訴訟の実務の概要(4)――タテ糸(時系列)ヨコ糸(関係図)でまず整理」社会マクロ経済政策・法律・規制双方に言い分があり、折り合いが付かないから法律紛争となり、裁判となるのが通常です。中には自分の側の理不尽を承知の上、ブラフ(「bluff」すなわちビジネス上…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[24]「豪州の民事訴訟の実務の概要(3)――裁判所に行く前に。ADRの模索は必須」社会マクロ経済事件政策・法律・規制時間がかかる、経費がかかる、人的資源がとられる、結論が読みきれず長い期間不安定となる、会社の評判に傷がつくなどが一般的にいわれる民商事での紛争で「裁判…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[23]「豪州の民事訴訟の実務の概要(2)――どのレベルの裁判所で扱うか。民事裁判で陪審?」社会事件政策・法律・規制選挙たとえばジョイントベンチャー契約の違反による行為の差し止めと数百万豪ドルの損害賠償を請求する訴状(WritないしStatement of Claim)が届き、最高裁判所(Su…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】「豪州の民事訴訟の実務の概要(1)――まずはじめに」社会マクロ経済設備投資雇用・労務政策・法律・規制選挙第22回 いま手元に段ボール箱が約100箱あります。1年ほど前に終了した資源関係ジョイントベンチャー内での紛争訴訟案件の資料で、これから倉庫にもって行くところ…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】「新政権で労使関係法がいつ変わるのか――内容・運用の理解には時間がかかること必須!!」社会マクロ経済設備投資雇用・労務政策・法律・規制選挙第21回 11月の選挙で大勝した労働党新政権下の労使関係システムの本格的始動は2010年1月1日、つまり2年先と聞けば、そのタイミングについて不可解に思われる読者…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】「パーティーシーズン到来――職場に関連がある限り雇用主にも責任あり」社会マクロ経済金融一般設備投資証券事件政策・法律・規制第20回 従業員が会社の関与する催しで、セクハラばかりか日ごろの鬱積が開放感、酔いに任せていじめ(bullying)、飲酒運転や暴力行為まで起こすことが多いのがこの…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】「株式発行と出資は同時ではない――JV相手とは適度な緊張関係を」社会マクロ経済金融一般設備投資証券事件政策・法律・規制第19回 たとえば豪州内に会社を設立しての合弁事業(Incorporated Joint Venture)で、合弁事業がつまづき始めるなどで関係がギクシャクする、融資を求められたが…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】「Consultation?Brokage?――いずれにしても依頼人の利益のために」社会マクロ経済設備投資不動産政策・法律・規制第18回 たとえば合併(M&A)の商談をまとめていくら、不動産証券の販売をまとめていくら、不動産の売買をまとめていくら、株の売買を取り扱っていくら、というの…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[17]「High CourtとSupreme Court――最高裁判所?高等裁判所?」社会マクロ経済通信政策・法律・規制豪州の新聞などで「Supreme Courtの判断に不服なので許可を得てHigh Court of Australiaにappealした」という記事をみて奇異に感じられる読者の方も多いと思いま…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[16]「“Constitution”は基本の法――会社の定款、連邦の憲法など様々な使われ方がある」社会マクロ経済通信政策・法律・規制豪州の会社関係の法務では“Constitution”あるいは“Company's Constitution”という用語が頻繁に使われます。これはこのコンテクストでは「定款」を意味します…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】「緊急特集!!『Workplace Relations Fact Sheet』の配布期限迫る―10月20日まで社会マクロ経済電子・コンピューター通信雇用・労務政策・法律・規制豪州で設立登記された会社、「外国法人」として豪州で登記された外国法人を含む連邦の職場関係法の適用ある職場の雇用主は、The Workplace Authorityの発行した「…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[14]「されど法律、されど契約――『法化社会』とビジネス」社会マクロ経済不動産雇用・労務政策・法律・規制第14回 法律は社会生活の規範の1つ、社会の1つの切り口に過ぎません。ビジネスも何から何まで契約を結んでやっているわけではありません。そこで「たかが」法律、…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[13]「法律文書のサインは旅券と統一が鉄則――IDは自署と写真で」社会マクロ経済食品・飲料金融一般証券不動産雇用・労務政策・法律・規制第13回 「ローマ字(つまりアルファベット)、漢字のいずれで自署しますか」、「苗字、名前とも全部つづりますか」などなど……英文の法律文書の署名(execute)…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[12]「オフィス賃借の経費(法律費用)負担の現実――それなりの計画、準備が必要」社会マクロ経済石油・石炭・ガス鉱業雇用・労務政策・法律・規制第12回 現地法人の新事務所設営などで会社のオフィスの賃借(commercial lease)をする時、この手の取引がはじめての賃借人(tenant)は、自らの弁護士費用に加え…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[11]「紛争の解決には事実関係の確認が出発点――事前準備は経費の大幅削減にも直結」社会マクロ経済石油・石炭・ガス鉱業雇用・労務政策・法律・規制第11回 これは豪州の法務に限ったことではありませんが、何かビジネス上の法律的紛争ないしはその芽を感知した時には、異変に気づいた定期検診でシリアスな病気に…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】[10]「不当解雇クレームが許されない100名以下の職場――日本本社の従業員も含まれるかどうか?」社会マクロ経済雇用・労務政策・法律・規制第10回 現行の職場関係法は豪州内のすべての会社に適用されます。そこではまず、解雇が個別契約、旧来の「認証契約(Certified Agreements)」、2006年3月から新た…
オーストラリア【豪州法務実務のベーシック】「正当な主張はしっかりした足場で――利益相反関係の回避が先決」社会マクロ経済IT一般電子・コンピューター通信鉱業不動産雇用・労務政策・法律・規制第9回 たとえば、現地会社を巻き込んでのジョイントベンチャー(以下「JV」)で、「日本側」当事者複数の間で幹事会社を選び、その幹事会社の名前で依頼を受けて…