ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(32)言論規制緩和の光と影社会IT一般通信メディア社会一般政策・法律・規制2010年代の言論活動の規制緩和とそれに続くメディアの活況は、ミャンマーの改革が「本物」であるとの印象を多くの人に抱かせた。しかし、改めて振り返ると、この…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(31)2010年代、対話路線への転換社会社会一般文化・宗教政治一般2011年に発足したテインセイン政権は、誰もが予想しなかった急激な政治改革に着手する。民族問題についても、軍事的な抑圧から対話路線への転換が図られ、短期間…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(30)民族問題から見た憲法社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制先の軍政がまとめた現行の憲法には、現在の情勢下でも重要な論点である民族概念や連邦制に関する規定が多く含まれている。今回は、民族問題の観点から主要な条文…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(29)チン州の民族問題社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制ミャンマーの西北部に位置するチン州は、東北部のシャン州やカチン州と同様に、標高2,000メートル級の山並みが続く地域である。この地に暮らすチン民族は、東北部…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(28)カチン州の民族問題PICK UP社会社会一般文化・宗教政策・法律・規制ミャンマー北端部に広がるカチン州でも50年以上に及ぶ闘争が続いてきた。州内の多数派であるカチン民族の政治闘争は、対中央政府だけでなく、近隣諸民族との競合…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(27)経済制裁とその影響社会社会一般政治一般政策・法律・規制外交旧軍事政権の統治期は、民主派への弾圧や少数民族の難民流出が国際問題化するに伴い、欧米からの経済制裁が始まった時代でもあった。およそ20年間にわたる制裁は…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(26)世界各国への難民の離散社会メディア社会一般文化・宗教ミャンマーの民族問題は、1990年代を境に世界的な広がりをもつ問題となっていく。膨大な数の難民が発生したためだが、やがて難民は受け入れ先の各国に定着し、本…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(25)制憲国民会議と少数民族社会社会一般ミャンマーの現行憲法は、1990年代から足かけ10年以上に及んだ国民会議の場で草案が作られた。しかし、その内容には少数民族政党や武装勢力の主張が一切反映され…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(24)国境地域における行政社会社会一般ミャンマーにおける民族問題は、1948年の独立以来70年以上も続く問題だ。ところが、国境地域での政府(軍事政権)による行政は比較的歴史が浅く、本格的に始まっ…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(23)タイのミャンマー難民対応社会社会一般1990年代に始まるミャンマー難民の流入に対して、タイ政府は独自の裁量による対応を続けている。その背景には、難民問題が国益に関係する複合的な意味を持つこと…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(22)歴史的な人の移動社会社会一般1990年代のミャンマー内戦は、多くの難民をタイなどの隣国へと流出させた。各国はその受け入れに苦慮し、現在も解決策を見いだせていない。しかし、歴史をさかの…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(21)「四つの分断」の猛威社会社会一般今年12月現在も、戦闘に伴うミャンマー国内の避難民は増え続けており、200万人を超えたと推計されている。膨大な避難民が生じる背景には何があり、それは旧軍政時…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(20)コーカン地域の民族問題社会社会一般今年10月末、少数民族勢力同盟が大規模な対国軍攻勢を開始した。その発起点であり焦点はシャン州のコーカン地域である。この事件の背景には何があるのだろうか。…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(19)1990年代のカヤー州情勢社会社会一般根強い反政府闘争を続けるカヤー州の民族勢力だが、1990年代の前後には国軍との関係を巡る内部対立を経験した時期があった。一連の経緯は、いかなる民族も単純な…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(18)カヤーとカレンニー社会社会一般文化・宗教軍事現在のミャンマーで、最も激しい戦闘が起きている地域の1つが東南部のカヤー州だ。小さな州であるにもかかわらず、軍政に対する激しい抵抗が続く背景には、地域…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(17)スリー・パゴダ・パスを巡る情勢社会社会一般文化・宗教事件軍事1990年代を通じて、ミャンマーとタイの国境の1つであるスリー・パゴダ・パスにもミャンマー軍政の支配が及ぶようになる。しかし、その後も一帯では諸勢力間の対…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(16)1990年代の反軍政連合社会宝石・宝飾品社会一般文化・宗教事件政治一般軍事2021年のクーデター以降、民主派勢力と少数民族武装組織は、連携して反軍政闘争を続けている。歴史をさかのぼれば、1990年代にも同様の連合が軍政と対峙した経緯…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(15)1990年代のロヒンギャ問題PICK UP社会社会一般文化・宗教事件政治一般政策・法律・規制外交1990年代の政変に並行して、ラカイン州ではイスラム教徒少数民族ロヒンギャ難民の大規模な流出が起きていた。今回は、当時の難民流出の背景と意味を考えてみたい…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(14)対中国関係の急転とシャン州情勢PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般軍事外交ヤンゴンが民主化運動で揺れた1980年代末、ミャンマーを取り巻く国際情勢は転換期を迎えていた。中国との関係改善が急速に進み、双方の中間に位置するシャン州で…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(13)135民族という捉え方PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制1990年の政治的混乱が続く中、当時の軍政は国内の民族数を「135」とする見解を強調し始める。この時期以降、ミャンマーの民族問題は一段と複雑さを増してゆく。 …
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(12)1988年政変と政党の出現PICK UP社会マクロ経済社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制選挙ミャンマーの連邦制を巡る議会政治の混乱に対処するため発足したネウィン体制は、1988年に国民からの激しい民主化要求にさらされ、終焉を迎えた。事態の収拾に乗…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(11)安全保障政策と民族問題PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制外交国軍体制下で制定された1982年国籍法は、ミャンマーの安全保障政策上極めて重要な機能を担っている。ミャンマーの民族問題とは、内政問題であると同時に対外関係…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(10)1982年国籍法の制定PICK UP社会社会一般文化・宗教政策・法律・規制ミャンマーにおける現行の「国籍法」は、ネウィン将軍独裁体制下の1982年に制定された。この法律により、1974年憲法が打ち出した「土着民族」の優位性に基づく国…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(9)民族学的調査と民族数の確定PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制1970年代の軍政は、各地の少数民族勢力と軍事的に対決しただけでなく、民族学的な調査を行って知識の蓄積と整理を進めていった。この過程を経て、現在の「135民族…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(8)社会主義時代(1962~1988年)の連邦制PICK UP社会メディア社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制1962年のクーデターで発足したネウィン政権は、紛糾していた民族問題に対処すべく、さまざまな手を打った。この時の施策の多くは現在も受け継がれている。 ■長…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(7)「真の連邦制」を求める改憲論PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制1960年代初頭のビルマ(現ミャンマー)では、武装闘争だけでなく、連邦制そのものを問い直す改憲論も現れた。このときシャン州でまとめられた「真の連邦制」案は…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(6) 苦難の1950年代社会社会一般文化・宗教政治一般ビルマ(現・ミャンマー)は1948年に独立するが、ほどなく国家体制の存続が危ぶまれるほどの内戦が続発した。この危機は、国軍が50年代を通じて武力で終息させて…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(5) 独立前夜の連邦制社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制第2次世界大戦後のビルマ(現在のミャンマー)では、アウンサンらビルマ民族政治家が独立後の国家体制を巡る意思決定をリードした。しかし、そのプロセスには欠…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(4)「ビルマの戦い」と少数民族社会社会一般文化・宗教アジア太平洋戦争のさなか、日本軍と連合国軍はビルマ(当時)をめぐって3年以上にわたる「ビルマの戦い」を繰り広げた。国境地域を含む全土を戦場としたこの戦…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(3)植民地時代の経験社会社会一般文化・宗教植民地時代を通じてミャンマーにはさまざまな変化がもたらされたが、その変化のありようは民族や地域ごとに大きく異なるものだった。この違いが、独立後にも続く…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(2)複雑な民族構成の背景社会社会一般文化・宗教さまざまな多民族国家が存在するアジアの中でも、ミャンマーの民族問題は特に複雑で、現在も解決の道筋が見えていない。なぜこのような状況が生じてしまったのか…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(1)民族問題と民主主義社会社会一般文化・宗教深刻な政治的対立が続くミャンマー情勢を前に、国際社会には同国の民主化をどのように支えていくかが問われている。だが、ミャンマーは多民族国家であり、民主主…
ミャンマー【探訪】バガン第26回 元緬戦争の帰結政治社会一般文化・宗教政治一般元緬戦争と宮廷内部での内紛により、バガン王国の統治能力は急速に衰えていった。この後、各地ではさまざまな民族が独自の政体や文化を展開させていく。これは、…
ミャンマー【探訪】政変後のラカイン州情勢政治社会一般政治一般外交2月下旬、国際司法裁判所(ICJ)でイスラム教徒少数民族ロヒンギャの問題をめぐる裁判が再開された。ミャンマー政府によるロヒンギャ民族への弾圧がジェノサ…
ミャンマー【探訪】バガン第25回 ナラテーハパテ王の最期社会社会一般文化・宗教ミャンマー中部の王都バガンを脱出したナラテーハパテ王は、帰還の途上で謀反に遭い暗殺されてしまう。その経緯は後世の年代記に詳しく描写されており、為政者へ…
ミャンマー【探訪】バガン第24回 仏教僧が担う和平交渉社会社会一般文化・宗教元緬戦争における敗勢が決定的となる中、仏教僧ディーター・パーモウッカが和平交渉を担う使節として、元の都・大都へと派遣される。 ■1.和平の模索 バガン…
ミャンマー【探訪】バガン第23回 ダガウンの戦いとその影響社会社会一般文化・宗教バガン王国に遠征した元朝軍は、1283年のガサウンジャンの戦いに続き、重要拠点ダガウンを攻略する。攻撃を恐れたバガンのナラテーハパテ王は、王都を捨てて南へ…
ミャンマー【探訪】バガン第22回 ガサウンジャンの戦い社会社会一般文化・宗教雲南地域の小勢力に対する支配権を巡り、ミャンマーのバガン王国と元朝中国は1277年に初の大規模戦闘に突入した。エーヤーワディー(イラワジ)川上流域での戦闘…
ミャンマー【探訪】バガン第21回 元緬戦争の発端社会社会一般文化・宗教バガン王国と元朝中国との軍事衝突は、双方の影響力が競合していた雲南西部で1277年に始まった。主戦場となったのは、エーヤーワディー(イラワジ)川と雲南から…
ミャンマー【探訪】ザガイン・ヒルの慰霊碑社会社会一般政治一般外交新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と今年2月のクーデターにより、日・ミャンマー間の交流にも深刻な動揺が起きている。戦没者慰霊もその例外で…