ニコンは20日、科学技術研究庁(ASTAR)傘下のマイクロエレクトロニクス研究所(IME)と半導体基板に回路パターンを転写する技術の研究で提携すると発表した。シンガポールで研究開発(R&D)機関を設立する計画も含まれる。
共同で研究するのは最先端のリソグラフィ技術で、半導体を製造する際に基板に光や電子ビームなどで回路パターンを転写する手法。深紫外線を用いたArF(フッ化アルゴン)ドライ露光装置や20ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の半導体製造に対応する液浸リソグラフィの技術向上に向け、マルチパターニング(ウエハー上の回路密度を拡張するリソグラフィ技術)や誘導自己組織化(DSA)などのR&Dで協力する。こうした技術は高密度メモリー、埋め込み型不揮発メモリー、超高速エレクトロニクス、ナノフォトニクス(光学技術)、ナノエレクトロメカニクスなどの最先端製品への適用が期待される。将来的には半導体業界向けの光学リソグラフィ技術開発を専門にした研究機関を共同で設立する予定だ。
ニコンは、IMEが持つ最新研究施設、プロセス技術、人材を活用することで次世代露光装置の製品開発期間を短縮できると見込んでいる。IMEも微細化技術や装置・材料に関する先端技術向上が期待できる。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。