ホンダ・マレーシアは29日、ハイブリッド車(HV)の累計販売台数が今年9月時点で1万台に達したと発表した。政府の税優遇を追い風に、小型車からスポーツタイプのモデルまで幅広くそろえたことで消費者の需要を開拓。マレーシアに進出する海外自動車メーカーで初めてHVの現地組み立てに乗り出すことも発表しており、今後も車種を拡充していく計画だ。
1万台の内訳を見ると、エントリーモデルの「インサイト」が6,339台、スポーツ車「CR―Z」が2,109台、小型車「ジャズハイブリッド」(日本名:フィットハイブリッド)が1,786台、中型セダン「シビックハイブリッド」が1,238台だった。
ホンダは2003年、マレーシア市場に初のHVモデルとしてシビック・ハイブリッドを投入した。07年に本格的に販売を開始していたが、当時は政府の環境車に対する税優遇が少なかったため、10年に販売を中止。ただその後に政府が政策を転換し、税優遇も拡大したことから12年7月に再投入に踏み切った。
一方、シビックハイブリッドを再投入するまでに量販車モデルなどの車種を増やした。10年12月にはインサイトを発売し、11年通年のHVの市場シェアは54.4%に急拡大した。同年11月にはCR―Z、今年3月にジャズハイブリッドを相次いで投入。8月時点の市場シェアは66%まで伸びた。
ホンダはHV車種の現地組み立てにも乗り出す。今年7月、3億5,000万リンギ(約91億300万円)を投じてマラッカ州の生産工場に第2ラインを新設すると発表。年産能力は現在の5万台から10万台に倍増する見通し。小型車向けのラインを増設し、ジャズハイブリッドの現地組み立てを始める計画だ。上野洋一郎社長兼最高経営責任者(CEO)は「今後もマレーシア市場に新たなHVモデルを投入していく」と強調した。
ホンダは1999年に日本でインサイトの第1世代モデルを発売してから、HVの世界累計販売台数が今年9月時点で100万台を超えた。
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