栄養ドリンク「レッドブル」を販売するタイ飲料大手TCファーマシューティカル・インダストリーズ(TCPI)はこのほど、司法省が「不公正な取引を理由にTCPIを告訴すべき」と判断したことについて、「このような不当な決定は断じて認められない」と強く非難した。
9日付インクワイラーなどによると、サラザール司法次官が6月21日、レガスピ市の検察当局に対して、不公正な取引を働いたTCPIと当地の独占販売業者メリーランド・ディストリビューターズ(MDI)を告訴すべきと命じたことが問題の発端。MDIの前にレッドブルの独占販売契約権を保有していたエナジー・フード・アンド・ドリンク(EFDI)が告訴を申し立てたとされる。
TCPIとMDIは、同次官が著作権法などに違反したと主張したことに対して、「レッドブルの発売元であるTCPIが、なぜレッドブル商品で著作権法に違反する不当な取引を行う必要があるのか」との疑問を提起。司法省に対して再考を求める申し立てを行った。
TPCIは、今回の決定がデリマ司法相の休暇中に行われたことに不信感を示した上で、同相宛てにも同次官の決定を白紙化するよう求める書簡を送付。この中で「根拠がない告訴騒ぎで当社の名前と信用が損なわれる結果になった。サラザール次官の決定は、フィリピンで積極的な投資を展開してきたタイ企業の名声を汚した行為」と厳しく批判した。
TCPIは2008年にEFDIとの独占販売契約を解除。これに対してEFDIが不当な打ち切りとして地方裁判所に提訴し、契約解除を無効とする判決を勝ち取ったが、控訴裁判所は一転してTCPIを支持する判決を下した。
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