中国の物流業界や地方政府が自動車の国外輸送手段の拡充を急ピッチで進めている。陸上輸送では、国際貨物列車の活用が今年に入り活発化。海上輸送では、専用船以…

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中国の物流業界や地方政府が自動車の国外輸送手段の拡充を急ピッチで進めている。陸上輸送では、国際貨物列車の活用が今年に入り活発化。海上輸送では、専用船以外も自動車輸送に充てる動きが盛り上がっている。中国の「新エネルギー車（ＮＥＶ）」輸出が急激に増えていることに対応する。
陸上輸送では、四川省、吉林省、江蘇省といった地域が「中欧班列」（中国と欧州を往来する国際貨物列車）を活用した自動車輸出を強化している。
証券日報によると、吉林省は中国第一汽車集団（一汽集団）が同省で生産するＮＥＶの輸送手段拡充に注力。２月28日には、一汽集団の「紅旗」ブランドの電気自動車（ＥＶ）110台を載せた中欧班列が同省を出発した。
江蘇省では、長城汽車の自動車250台を載せた中欧班列が２月28日に南京市を出発。同列車は他の貨物を載せておらず、江蘇省発の中欧班列が自動車製品だけを輸送する初めてのケースとなった。
中欧班列を使った輸出は、輸出先が同列車の沿線地域であれば輸送時間を海運より大幅に短縮できるメリットがある。
海運分野では、本来自動車輸送に使用しない船舶を転用するケースが増えている。
中国海運大手の中国遠洋海運集団（チャイナ・コスコ・シッピング、中遠海運）は、パルプ運搬船の自動車輸送への活用を積極化。パルプなど各種製品の海運需要が落ち着いてきた中で、自動車の輸送需要が引き続き旺盛なことに対応している。
ＲＯＲＯ船（自動車が自走で内部に乗り込める船舶）ではない船舶を自動車輸送に転用する場合は、自社が開発した自動車積み込み用のラックを使用して輸送を行う。
ネットメディアの澎湃新聞によると、中遠海運は今年に入り、計１万5,000台以上の自動車輸出案件を受注した。中国の自動車輸出の拡大を背景に、受注量は増えると予測しており、今後は１カ月当たり１万8,000～２万台の輸出を手がけるとみている。

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