ドゥテルテ大統領の長女サラ氏の副大統領としての就任演説は、その話し方が印象的だった。時に汚い言葉を使う父と異なり、非常に「副大統領的」な話しぶりだった。アドリブはあったものの、スピーチ原稿から逸脱して誰かを攻撃する父のようなことはなく、最後まで原稿に忠実な演説だった。
こうした態度は、選挙期間から彼女が一貫して演じているように見える。ダバオ市長としてスラム街の取り壊しを主張する行政担当者ともめ、顔を殴ったことでも知られるように、もともとは気が強いイメージがある。だが、副大統領選に立候補したことを機に大幅にキャラクターが変わり、柔和な表情を浮かべることが増えた。
サラ氏を「攻撃的」「独断的」とする報道は今も目にするが、彼女は変わりつつある。その理由は分からない。父とは違うということを国民に印象付けようとしているのかもしれない。(D)
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