ニュージーランド(NZ)準備銀行(RBNZ)は25日、政策金利(OCR)を0.5ポイント引き上げ、2%にすると発表した。前回と同じ利上げ幅で、金利は6年ぶりの高水準に達した。加速するインフレを抑制するため金融引き締めを積極的に進めるタカ派の姿勢を強めており、OCRを年内に3.25%まで引き上げる可能性を示している。
利上げ幅は市場予測と一致した。
RBNZは声明の中で、現在6.9%のインフレ率を1~3%の目標範囲内に確実に戻すために断固とした姿勢で臨んでいると説明。早期により大きな利上げをすることで、インフレが執拗(しつよう)に持続するリスクを減らせるほか、世界の経済情勢が非常に不透明な中で金融政策に柔軟性を持たせることができるとした。
また、OCRは23年6月に3.9%でピークを迎えるとの見通しを示し、24年半ばに3.4%でピークとするこれまでの予測から大きく上方修正した。
国内経済については引き続き底堅いとし、強い労働市場や健全な家計、継続的な財政支援、好調な交易条件などに支えられているとした。
■利下げは24年か
一方、OCRは24年末に向けて下がり始めると予想され、住宅ローンの利用者にとっては明るい材料となった。
RBNZは、住宅ローン金利の上昇と住宅供給の増加を一部反映し、住宅価格は下落したとしている。
経済調査会社キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ウディ氏は、RBNZの声明はタカ派的だとし、「利下げは24年とわれわれの予測の23年より少しずれ込む」と指摘。ただ、RBNZがいずれ利下げを見込んでいること自体が重要なことだと強調した。
■NZドルは上昇
NZドルの対米ドル為替レートは、利上げ発表後に1NZドル=0.6433米ドルから0.6496米ドルに一気に上昇した。その後も上昇基調が続き、午後4時時点(NZ時間)では0.6507米ドルで推移した。
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