インドでは、渋滞や信号待ちで止まっている車めがけて、行商人がさまざまなアイテムを売りに来る。コンコンと窓をたたいて商品をアピールする販売方法で、毛ばたき、ペットボトルの水、カットしたココナツ、プラスチック製の人形まである。渋滞中に新鮮な果物を見せられた時などは、窓をあけて「ひとつください」と言いたくなる。
よく通る道では、決まって本をすすめられる。タイトルに目をやると、お金の心理学、マネジメントの基礎、とビジネスの実用書が多い。いつ見ても同じ行商人が同じ本を携えているから、どうやらなかなか売れないらしい。
猛暑の時期は、行商人たちによる車道販売は少なくなる。ただ、最近のデリーは雨の到来とともに、時折、涼しい風が吹くようになった。いつもの道でも、渋滞中の窓越しのセールスがもうじき再開されることだろう。(成)
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