わが家はシドニーの駅近くの集合住宅にあり、子どもたちは駅を始発とするスクールバスで学校に通っている。長年地元のバスを利用しているため、多くのバスの運転手と顔見知りになった。スクールバスの運転手とは出発前の待ち時間に立ち話をし、それ以外のときでも、こちらを見かけると運転中に手を振ったりクラクションを鳴らしてあいさつをしてくれる。
しかし、ついにわが家も引っ越しを決心した。今の家が手狭になってきたからだ。12年も同じ場所に住んでいると、隣近所や地元とのつながりも強くなる。日課となったバスの運転手たちとのたわいない会話や、長年助け合ってきたご近所さんと離れると思うと寂しさが募る。
ところが、数日前に決まった新居は今の家から徒歩数分。バス停も同じだ。胸に抱えていた哀愁は吹き飛び、「地元民」を続けられることに歓喜している。(桜月)
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