カンボジア政府は2050年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を実現するため、気候変動対策の一環として大気汚染の削減に本腰を入れる方針だ。「カンボジア大気浄化計画(CCAP)」を策定し、各産業での温室効果ガスの削減目標などを盛り込む。クメール・タイムズ(電子版)が25日に伝えた。
環境省の報道官は25日、大気汚染が及ぼす健康被害は世界的な問題と指摘。カンボジアは大気浄化計画を通じ、◇大気の状況と30年までの傾向分析◇汚染源の把握◇温室効果ガス削減に関する業界ごとの規制、対策の立案――などを進めていきたいとしている。
環境省によると、温室効果を持つ短寿命気候汚染物質(SLCP)を含む微小粒子状物質「PM2.5」の総排出量が30年までに9万8,500トンに達する見込み。チェア・シナ長官は、工場や車両からの排出や野焼きなどを規制しなければ、大気汚染はさらに深刻化するとの懸念を表明。一方で同省の報道官は「万全な対策が実行された場合、30年のPM2.5排出量は約4割減の5万9,800トンに抑えることが可能」との見通しを示した。
首都プノンペンのPM2.5の平均濃度は19年に21.1μg/m3(マイクログラム/立方メートル)。17年の13.6μg/m3(マイクログラム/立方メートル)から上昇している。
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