日本政府観光局(JNTO)が19日に発表した統計で、2021年に東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国から日本を訪れた旅行者(推定値)は前年比93.8%減の4万2,660人だった。20年は新型コロナウイルスの感染が本格化する直前の1~2月に月20万~30万人の訪日客があり、3月以降に低迷したものの通年で69万1,069人となっていた。21年は新型コロナの影響で年間を通じて低水準だった。
21年に最も訪日旅行客が多かったのはベトナムで2万6,500人。前年比では82.6%減、新型コロナ前の19年比では94.6%減といずれも大幅に減少した。他の5カ国も軒並み前年比、19年比ともに8~9割減となった。最も少なかったのはシンガポールで860人。19年の49万2,252人からは99.8%減少した。
20年は1~2月に訪日客数が多かった。また同年は一部の東南アジアの国で短期出張者の日本との往来を可能にする「ビジネストラック」や駐在員や長期滞在者向けの「レジデンストラック」が運用されていたこともあり、年後半に訪日客数が21年を上回る国が目立っていた。日本政府は21年1月、「ビジネストラック」「レジデンストラック」の運用を停止した。
21年12月の6カ国からの訪日旅行者は、前年同月比95.1%減の1,110人だった。
6カ国中で最も多かったのはベトナムとインドネシアでそれぞれ300人。前年同月比ではベトナムが98.1%減、インドネシアが91.0%減となった。シンガポールは最も少ない50人だったが、減少率は58.7%と6カ国中で最も小さかった。
日本政府は、昨年11月末から新型コロナの変異株「オミクロン株」の水際対策で外国人の新規入国を原則停止した。同措置は今年2月末まで延長されており、22年1~2月は引き続き訪日客数が低迷する見込みだ。
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