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【学びの機会】第1回 経験を生かせる学校選び

駐在員としては、子供が帰国後に、駐在している国・地域の経験を生かせる学校選びをしたい。中高一貫校では、渋谷教育学園渋谷、幕張校、広尾学園や三田国際の帰国生が生徒会や部活動でもリーダーシップを発揮し、その後も国内外の名門大学に進学するケースが代表的な事例だ。本連載では、上記のような成功事例を取り上げるとともに、従来型の教育になじめず学校を去るなど、報じられることが少ない帰国生のケースも紹介。その予防策を提案したい。

■アジアの大学が台頭

帰国生を受け入れる学校は、彼ら彼女らの英語力や海外経験、コミュニケーション能力を評価し、一般生とは別の試験を用意している。国内受験組とは異なる経験と能力を持っている前提だからだ。結果として帰国生は、早慶上智など名門大学に進学する予備軍として学校側が受け入れてきた。

ところが、日本の大学を世界と比較すると2019年のQS世界大学ランキングでも東大が世界大学ランキングでアジアトップから陥落し、中国をはじめ香港、シンガポール、韓国の大学が上回るようになった。

世界大学ランキングが全ての価値基準ではないが、世界の主要な世界大学ランキングで、アジアトップの大学は清華大学 、北京大学と評価している。すなわち、アジアトップの大学は東大ではないと世界はみなしている。

アジア 勢が世界大学ランキングで日本を上回る時代に、従来の日本の教育と受験制度、早慶上智に帰国生としてAO入試で入学することに迷いが出る家庭も多いだろう。

■寮制やオンライン、帰国生の受け皿に

21世紀に入り、今の帰国生の保護者が学校に通っていた時代とは社会が大きく変化した。ITによって社会がオンライン化し、学校もコロナ禍で通信制が「オンライン」教育として定着した。学びの仕組みが多様化し、自主性や個性を大切にする帰国生の選択肢になっている。

通信制では、生徒数2万人のN高、S高をはじめ、ホリエモンこと堀江貴文氏が主宰するゼロ高、探究的な学びを地域の特色と掛け合わせて学ぶインフィニティ国際学院などが代表的だ。

寮制のあるボーディングスクールは、愛知県のリベラルアーツの海陽学園、石川県白山市のリベラルアーツ理工系の国際高等専門学校がある。

22年は、岩手県八幡平市安比高原にハロウ安比校、長野県白馬村に白馬インターナショナルスクール、愛知県日進市に国際高等学校が開校する。少子化が進む一方で、教育への投資をいとわない保護者は多く、寮のある学校が増えている。

17世紀にロンドンを中心とするペストの大流行が起き、当時の貴族は、ロンドン郊外にある川が流れ自然環境の良いボーディングスクールに子供を通わせた。それが現在の英国式ボーディングスクールを作ってきた。現在のコロナ禍の学びは、17世紀の保護者が悩んだ状況と類似している。

NNAの読者の方々は駐在中から、帰国後の準備を進めていると思う。成功事例となじめなかった事例を比較していくこの連載が、学校選びの参考になれば幸いです。

※全6回、今後は隔週月曜日に掲載します

<筆者プロフィル>

国際教育評論家:村田学

米国カリフォルニア州トーランス生まれ。幼稚園までアメリカで過ごし、小学生になる前に帰国。千葉、埼玉、東京と関東周辺で育つ。英語を忘れた帰国生として日本の小中高を公立校で学び、大学で会計学を学ぶ。専門学校の事務などを経て、インターナショナルスクール専門メディアのインターナショナルスクールタイムズを創刊。その後、プリスクール経営、国際バカロレア候補校の幼小中のインターナショナルスクールを経営。国際バカロレアの教員研修を修了。現在、教育評論家として活動している。

<お知らせ>

東京・千代田区の丸ノ内ビルディングで「寮のある学び」を特集したインターナショナルスクールフェアが開催されます。2022年1月16日13時(日本時間)から。公式サイト:https://istfair.mystrikingly.com


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関連業種: 社会・事件

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