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【21年の10大ニュース】新常態への1年

香港にとっての2021年は、政治、社会の「ニューノーマル(新常態)」が見えた1年だった。
香港国家安全維持法(国安法)による民主活動家の逮捕が相次ぎ、多くの民主派団体が解散に追い込まれた。かつて絶大な人気を誇った日刊紙、蘋果日報の廃刊は、国安法の威力を香港市民にまざまざと見せつけた。
中国中央は香港の選挙制度にも踏み込み、香港の統治機構から民主派をほぼ一掃するシステムを構築した。これまで香港での表立った活動を控えていた中国共産党の存在感もこの1年で急拡大。共産党統治の下、従来の西側的価値観を排した新たな「民主」の枠組みで「愛国者による香港統治」を行うという政治の形が明確になった。
新型コロナウイルスの域内感染が抑制され、日常生活の活気を取り戻した香港社会は、一方で海外との往来制限が常態化している。政府は本土に歩調を合わせた「ゼロコロナ」政策を堅持する構えで、日本を含む他国・地域に対しては当面、門戸をほぼ閉ざした状態が続くことになりそうだ。

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