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首相、新常態への移行を宣言 63省市、正常化作業スタート

ベトナムのファム・ミン・チン首相は25日、全国63省市や所属地方政府をつないだオンライン会議で、「ベトナムは『ゼロコロナ』を目指した政策から、安全を前提にしたより柔軟な感染対策に移っていく」と述べ、「ウィズコロナ(新型コロナウイルスとの共存)」を前提とした「ニューノーマル(新常態)」への移行を正式に宣言した。3カ月弱に及ぶ厳しい社会隔離措置で打撃を受けた経済と社会生活の回復を急ぐ。今月30日にかけて各地の規制を徐々に緩和していく方針も示した。

オンラインで各省市に事業・生産回復に向けた計画策定を指示するファム・ミン・チン首相(政府公式サイトから)

オンラインで各省市に事業・生産回復に向けた計画策定を指示するファム・ミン・チン首相(政府公式サイトから)

チン氏は新常態に移行する大原則として「人々の健康が主要かつ中心にある」と念を押しながらも、「経済は基本的な土台」「科学技術データがカギ」「社会と政治の安定化が重要」「ワクチンと治療薬が必須」といった複数のキャッチフレーズを掲げて、これら全ての要素を均衡させる政策運営に取り組む重要性を強調した。

首相は新方針に沿った新たな規制の在り方をどうすべきか、保健省に対して、専門家の意見を再度集約し、ガイドラインを取りまとめるよう指示。各地方政府がこのガイドラインに沿って規制緩和を進めるよう求めた。「新常態」に合わない規制や法令は即座に改正・廃止する。

情報通信省に対しては、ワクチンの接種回数や新型コロナウイルスの検査結果などによって個人の健康状態を把握する全国統一のスマートフォン向けアプリの開発を急ぐよう指示。スマートフォンを利用していない人向けの対策も同時に示すよう求めた。

全ての地方政府に対し、事業・生産再開のためのワーキンググループを設置し、それぞれ人民委員会委員長(省長や市長)が責任者となって計画策定を進めることを指示した。

■ホーチミンの規制解除焦点

新型コロナの感染第4波対応として7月上旬から中旬にかけ各地に導入された首相指示16号(16/CT―TTg)の社会隔離措置については、首都ハノイが21日から市全域で解除に踏み切ったのと前後して、各地が1段階緩い首相指示15号(15/CT―TTg)措置に移行しており、今後は今月30日が期限となる最大の経済都市ホーチミン市の対応が焦点になる。

チン首相は25日のオンライン会議で、「今日から30日までの仕事の中心は、社会・経済活動再開に向けた規制を徐々に緩めていくことだ」と述べ、南部を中心に長期化している「工場隔離」などを部分的に緩和する可能性も示唆した。

ホーチミン市では依然として1日当たり数千人の感染者が確認されているが、市保健当局は増加ペースが最近になって鈍化しているほか、死亡者数にも減少傾向が見られるとの判断を示しており、16号規制の対象地域を段階的に狭めていく方針とみられる。

7区、クチ郡、カンゾー郡など感染が比較的落ち着いているとされる一部地域では、すでに15号基準に沿った規制が試験的に実施されており、これらの地域と同様の対応策が1区などのビジネス中心地区や、新住民の多いトゥードゥック市(ホーチミン市直属)などにも広がるかどうかや、製造業の従業員に職場での宿泊を求めた規制の一部が緩和されるかどうかが注目されている。

■公共交通も再開か

25日付サイゴンタイムズによると、ホーチミン市運輸局は24日、公共輸送機関を10月1日から再開する計画案をまとめ、関係部局に示した。市内を感染リスクの少ない「グリーンエリア」、ある程度のリスクがある「リスクエリア」、依然としてロックダウンが続く「封鎖エリア」の3つに分け、「グリーンエリア」と「リスクエリア」ではスマホアプリなどによる感染対策の徹底を図った上で、バスやタクシー、配車サービスなどを再開させる内容だ。

同市では、6月20日からバス・タクシーや民間の四輪配車サービスが禁止され、市全域で16号規制が実施されロックダウン下に置かれた7月9日からは、配車アプリによるバイク(二輪車)の輸送もできなくなった。さらに、行政区の境には検問所が設けられ、医療関係者など特別の許可がない場合は別の行政区への移動も禁止されている。公共輸送機関が再開されれば3カ月ぶりとなる。

地元各紙は、各地の道路などに張り巡らされた立ち入り規制のための障害物なども、30日までに徐々に撤去していくとする市当局の方針を伝えており、市民生活の改善も緩やかに進みそうだ。


関連国・地域: ベトナム
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済社会・事件

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