韓国の現代自動車グループは6日、2045年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「炭素中立(カーボンニュートラル)」を実現する計画を発表した。世界的な脱炭素の流れを背景に、電動化へのシフトを急速に進めて、世界販売台数を引き上げたい考えだ。
欧州最大規模の自動車展示会である独ミュンヘン国際自動車ショーで発表した。現代自の張在勲(チャン・ジェフン)社長は「持続可能な未来のため、環境に優しいモビリティーとエネルギーソリューションへの投資に拍車をかける」と強調した。
まずは25年までに、全世界で100万台の電気自動車(EV)を販売する目標を掲げた。現代自・起亜の20年の世界販売台数は635万台で、25年までに昨年の6分の1程度をEVに切り替える。その後、燃料電池車(FCV)などを含めた電動車の割合を30年までに30%、40年までには80%まで拡大するとしている。
環境規制が厳しい欧州市場では、35年までに全モデルをEVとFCVのみで構成する。韓国や米国など残りの主要市場も40年までに順次、電動化を進めていく戦略だ。
EVのラインアップとしては、自社のEV専用プラットフォーム(車台)「E―GMP」を適用した現在発売中の「アイオニック5」をはじめ、中型セダン「アイオニック6」、大型スポーツタイプ多目的車(SUV)モデル「アイオニック7」などを投入する。
FCVも、現在のSUV「ネクソ」のほか、多目的車(MPV)「スターリア」のFCVモデルや新たな大型SUVなどを投入してラインアップを拡充する予定だ。
2日には、高級車ブランド「ジェネシス」について、25年から販売する全てのモデルを電動化すると発表。30年までに計8種のラインアップを整え、世界で年間40万台の販売を目指すとしていた。
現代自は電動化へのシフトを通じて、45年までに自動車の生産から走行、廃棄までの全段階で炭素排出「ゼロ」を達成する計画だ。
■欧米や東南ア市場開拓へ
現代自は、在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備決定による中国市場での不振以降、世界販売台数は年々減少している。炭素中立の計画を進めつつ、欧米市場や新規市場となる東南アジアの電動車需要をいち早く開拓し、世界の大衆車メーカーとして、市場シェアを高めたい考えだ。
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