シンガポール保健省は8日、新型コロナウイルスのワクチン接種が順調に進んでいることから、予定を前倒しして60代への接種を始めると発表した。対象者には数日中に、接種登録専用のURLをショートメッセージサービス(SMS)で送信する。優先接種を進めている重要産業の従事者や、感染リスクが高い人の幅も拡大する。
7日時点で、約37万9,000人が少なくとも1回目のワクチンの接種を受けた。うち21万7,000人が2回目の接種も完了した。
60~69歳へのワクチン接種は3月末ごろの開始を予定していた。ただ2月下旬に開始した70歳以上へのワクチン接種が順調に進んでいることから、前倒しを決めた。
優先接種を進める重要職の従事者に、新たに郵便配達員、宅配便配達員、報道記者、銀行のシステムオペレーターなどを加える。これまでは入国審査場の職員、公益インフラの整備員などを対象としていた。
感染リスクの高い産業には、ホーカーセンター(屋台街)、ウエットマーケット(生鮮食品を取り扱う伝統的な市場)、教育現場を加え、従事者への優先接種を始める。幼稚園や学校で働く教師・職員への接種については、現状では16歳未満がワクチンの接種を受けられないことから、感染を予防する上で特に重要視している。
外国人単純労働者への接種も開始する。まずはこれまでに一度も感染したことがなく、5大ドミトリー(居住施設)に住んでいる1万人を対象とする。
マレーシアからシンガポールに定期的に入国する貨物トラックのドライバーおよび同乗者にも、ワクチン接種を呼び掛ける。対象者には、貿易産業省の担当者から連絡するという。
保健省は、4月以降はさらに接種対象者の範囲を拡大するとしている。
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