EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海精密工業は、電気自動車(EV)のハード・ソフトウエアのオープンプラットフォーム「MIH」の第1弾となる開発者向けキット「EV Kit」を4月から出荷する見通しだ。2月から受注を開始する。27日付中央通信社などが伝えた。
EV Kitの開発を主導する鴻海のEV合弁、鴻華先進科技の李秉彦総経理によると、まずは鴻華先進に共同出資する台湾自動車大手の裕隆汽車傘下で、「LUXGEN(ラクスジェン)」ブランドの乗用車を生産する納智捷汽車にEV Kitを提供。その他の自動車メーカーにも順次供給していく。
MIHは新型EV Kitの開発も進める方針。鴻海が10月に開催を予定している開発技術の説明会「鴻海科技日」で成果報告を行うことも検討している。
MIHは2020年10月に初公開した。今月25日までに492社が加盟している。
■3本柱で発展
鴻華先進の李総経理は、EV、サブシステム、技術サービスの3本柱で事業を発展させていく考えを示した。このうちEV事業はプラットフォームの開放を基礎に、商品を乗用車、商用車の分野に広げる。
サブシステムは、自動運転や新エネルギー車(NEV)の動力、モノのインターネット(IoT)の自動車版「インターネット・オブ・ビークル(IoV)」を含む。技術サービスでは、製品の企画や設計、試験に関する自社のノウハウを提供するという。
李総経理は、「鴻華先進は自社ブランドを設けず、他社ブランドを支援する役割を担う」と強調した。
鴻華先進は20年11月に設立した。出資比率は鴻海が51%、裕隆汽車側が49%。現在の従業員数は約800人という。
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